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雪side
雪「…ふぅ」
ガララッ
湯船の中で1人ぼーっとしていると誰かが入ってきたようだった
雪「…あ」
陽子「おやおや」
雪「こんばんは、陽子さん」
入ってきたのは、光ちゃんのおばあさんの花応院陽子さんだった
陽子「こんばんは、お雪さん」
ちゃぷ
陽子さんと肩を並べてお風呂に入るのは初めてのことで毛倡妓さんやササミさんと入る時とは違う緊張が走る
陽子「お雪さん」
体に力が入って、無言のまましばらく湯に使っていたら、陽子さんに話しかけられた
雪「は、はいっ、なんでしょうかぁあぁっ?!」
な、なななな何この人?!
陽子さんは、私に話しかけたと思ったらその瞬間
陽子「…ふむ、骨盤は広めで、脂肪はつきすぎず少なすぎず標準体型、体も柔らかく柔軟性がある……ブツブツ」
腰や太もも腹や胸など身体中を触られたり、押されたり、曲げられたりされた
い、一体何事?!
雪「あ、あぁあの!」
陽子「…!すまないねぇ」
雪「い、いえ、でもなんでこんな…」
陽子「いやなに、安産体型だなと思っただけ」
あ、安産体型?!?!
突然そんなことを言われても…な、なんて返せば…
きょ、今日は会長といい陽子さんといい、なんなの?!
陽子「いや、ホントに申し訳ないねえ
嫁入り前に確認しときたくてねぇ」
雪「よ、め…?」
かぁっ、と顔が熱くなるのがわかった
リクオ『雪』
……って、なんでリクオ?!
ぶんぶんと頭を振って頭に浮かんだリクオを追い払う
陽子「そりゃぁ、鬼に嫁入りする時のためさ」
雪「……え?」
さっきまで熱かった顔がサッと元の温度まで下がった気がした
陽子「おや、両親から何も聞いていなかったのかい?」
“可哀想にねぇ”
その哀れみの声が胸に重くのしかかった
陽子「……誰も教えてはくれなかったのか、それなら…(くすっ」
“私が教えてあげよう。アンタの運命っちゅうやつをな”
そう言って、謎の迫力に圧倒されつつ陽子さんの笑みに目が釘付けになった
雪「知りたい…知りたいです
…教えてください
私がなんなのか」
断る理由なんて何も無かった
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作者名:藍@315号室 | 作成日時:2020年6月7日 15時