愛憎華伝【奴良リクオ】 (ページ29)

今日:10 hit、昨日:5 hit、合計:4,890 hit

2 ページ29

雪「…リクオにあの夜の記憶が無いのはわかったわ。

でもね、それを気に病むことは無いのよ？

…たとえあなたの中にその記憶がなくても、私の中にしっかりと残っているわ。

あなたが仲間を引連れて、助けに来てくれたこと。

よく頑張ったなって私を褒めてくれたこと。

私のために怒ってくれたこと。

助けてくれた時、あなたは私を抱きしめてくれたわ。

とても力強くて頼もしくてドキドキしちゃった。

……たしかに、私は怪我をおった。

でもそれは貴方のせいじゃない。

私が頑張ってできた努力の勲章よ。

鴆さんが言うには、あとはほとんど残らないならしいし。」

リクオ「……それでも僕は、痛い思いして欲しくなかった」

ごめんなさい、再びそう謝られた

この子は何も悪いことしていないのに、何も攻められるようなことしていないのに

雪「…ねえ、リクオ。

私もあなたに謝らないといけなこと後あるの」

リクオ「？」

雪「…私、あなたを、あなたたちを避けていたわ

学年が上がるにつれ、私たちの都合が合わなくなることもあったけど、たしかに私はあなたを避けてしまった。

あなたはなんにも悪くないのよ？

ただ、私が弱かっただけなの

そばにいたい自分がいるけど、いつか迷惑をかけてしまうことになるかもしれないし

……ううん、それはただの言い訳か

……モヤモヤしてた。

ほんとに、何かわからないけど、今の私にそれを言葉で表すことは出来ないけれど、モヤモヤしてた。

誰にも会いたくなかったの。

リクオにも、光ちゃんにも、ぬら組のみんなとも。

今回の事件がきっかけでそれはなくなったわ。

それも不思議なことにね。

きっと、あなたのおかげたと思う

このモヤモヤが分かったらリクオにちゃんと説明するわ」

リクオ「……う、うん」

長々と話したけど、リクオも分かってないようだ

それもそうだ、私自身自分のこの感情に名前をつけられなくているのだから

まぁ、とどのつまり、私後何を言いたいかって言うと……

雪「仲直りしましょう」

リクオ「…え？」

雪「今までで避けててごめんなさい。
……また、私と仲良くしてください」

姿勢を正して、リクオに向き合った

リクオもつられてかしこまって「う、うん？」
と返事した。

しばらくお互いわ見つめ合うとどっちが先とかはなく、ほぼ二人同時に笑いだした

それも大きな声を上げて

久しぶりに見たリクオの笑顔は太陽のように眩しかった