愛憎華伝【奴良リクオ】 (ページ19)

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リクオside

カナ「ねぇ、もうおじいちゃんが妖怪とか言わない方がいいよ」

リクオ「ええっ?!それって僕の言うこと信じてくれてないじゃないか?!」

カナ「だって怖いもん！妖怪ってお化けでしょう？」

リクオ「怖い？」

カナ「見せてくれたら信じるけど、やっぱりそんなの見たくないよ！」

そう言うとカナちゃんは、走り去り、バスに乗り込んた。

そんなの思ったこと無かった

組のみんな遊んでくれるし、みんな優しいから

そっか、みんなにとって妖怪って怖いものなんだ…

怖くて、嫌なんだ

リクオ「妖怪ってとことん嫌われてるんだ…
もう、二度と口にしないぞ」

僕は、なんなんだろう

教えてよ……雪

雪「リクオ！」

その時、大好きな音が鼓膜を揺らした

至極色の瞳が僕だけを写していた

リクオ「…あ、え…、ゆ、き？」

シューッ

バスの自動ドアの閉まる音が聞こえた

出発を始めたバスは、少しずつ遠ざかる

雪「家！今日行くから！」

リクオ「…………うん！」

少し、心が晴れた

雪は、凄いや

リクオ「…………綺麗だ」

中学生になった雪は、成長していて僕の知らない雪がいた。

これ以上置いていかれたくない

リクオ「帰ろ？光」

光「…うん」

帰ったら、何を話そうか

雪のことを考えている時だけは、僕は僕だった

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至極色
→極めて黒に近い深い赤紫色
→深紫の別名

……らしいです。

参考:伝統色のいろは