斜陽2【中原中也】

第99話 ページ49

貴女side








貴女「作りすぎ、かな…


そもそも今日帰ってこられる確証はないのに」




机に並んだ料理と葡萄酒を見て我ながら呆れる





貴女「…でも、楽しみだな」





会えることも


喜ぶ姿を見るのも




そして彼を想いながら作る料理は凄く楽しかった





貴女「…よし」




グラスを机に置きこれで完璧だ




椅子に腰かけ携帯を眺める





貴女「本部に迎えに行った方がいいかn」





ｶﾞﾁｬ




ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ






ﾊﾞﾝｯ





中原「A！！」



貴女「中也さ………」





三つの物音の感覚は凄く短い




そして本当に帰ってきた大好きな人に飛びつく





中原「会いたかったぜ…」



貴女「私も…」




仕事終わりだというのに甘い香りは変わらない




中原「連絡出来なくて悪かったな」



貴女「わざとしなかったんじゃないのですか？」



中原「違ェよ。携帯が壊れて出来なかった＿＿お前、俺が帰ってくる事知ってたのか」



貴女「首領から聞きましたけど、」





そう云い机に視線を移す




中原「なっ、すっげェ！」



貴女「葡萄酒は首領から頂いたものですよ」



中原「まじかよ、これお前が？」



貴女「はい」





大好きな葡萄酒には目もくれず料理に目を輝かせる中也さん





中原「早く食おう！」



貴女「外套、帽子ください


手洗って来てください」



中原「……」






少ししょぼくれた彼から衣類を受け取り背中を押す





ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ





中原「よし、洗ったぜ。」



貴女「お疲れ様でした。」





グラスに葡萄酒を注ぎ乾杯をする






中原「上手っ」


貴女「良かったです」


中原「幸せすぎんだろ、頑張った甲斐があった」





嬉しそうな顔が見れて良かった





中原「ありがとな」



貴女「いえ…。本当にお疲れ様です」



中原「お前も仕事大変だったんだろ？

人虎がどうとかって」



貴女「あぁ、あれはもう芥川主体で進んでいるので」



中原「そうか。……………そういや、芥川とは」



貴女「なんです？」



中原「芥川とはいい感じか？」



貴女「は…。なんですかその質問

良い訳ないでしょう」



中原「そ、そうか」




目が泳いでいる




中原「部下からの支持も良いらしいな。

仲が良い奴とかいるのか、？」

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