斜陽2【中原中也】

第93話 ページ43

貴女side





森｢そうか…。今回は失敗か｣



貴女｢…｣

芥川｢…｣




森｢太宰くん…。抜けて尚脅威だね｣





芥川と並び後ろで手を組んだ





森｢困ったねぇ…これでは毎回太宰くんに邪魔されてしまう｣



芥川｢無効化は厄介故…太刀打ち出来ず｣



森｢……そういえばAくんが太宰くんの無効化を無効化したらどうなるのかね？｣



貴女｢……私の取り込み…云わばコピーは

二流に過ぎません。オリジナルにはどうしても勝てない｣



森｢そうかあ。駄目かあ｣




芥川｢この件は僕にお任せ下さい


必ず人虎を捉えてみせます｣



貴女｢芥川……｣



森｢何時に無くやる気だね芥川くん｣



芥川｢僕をけしかけたのは貴方だボス｣



森｢なんの事かね？｣




人虎が兄さんの部下だとわざわざ云った事だろう





森｢では期待しているよ芥川くん｣



芥川｢承知｣





そのまま踵を返し出ていく芥川





森｢Aくん｣




貴女｢はい｣




森｢探偵社の勧誘は生きているようだね｣



貴女｢……心配せずとも私は探偵社には行きませんよ｣



森｢私は心配なんてしていないよ｣



貴女｢顔に出ています｣



森｢えぇっ？｣



貴女｢そんなに心配なら兄と会うのを禁じては？｣



森｢それはしない。｣



貴女｢変わったお方だ｣



森｢……君がマフィアに残るのは中也くんがマフィアにいるから。

君が私に従うのは中也くんが私に従うからだ｣



貴女｢…………始まりはそうですね｣



森｢…私は君が出て行っても追えない。

それが中也くんと二人だとしても｣



貴女｢大損害では｣



森｢そうだよ。だからここにいてくれるかい｣





貴女｢………首領。


私は中也さんを伴侶と思い


芥川を腹の立つ双子と思い


紅葉さんを優しい姉と思い


貴方を厳しい父と思います｣




森｢・・・｣




貴女｢これだけでは納得出来ませんか｣




森｢…………はは。やっぱり君は大物だね。｣



貴女｢私の心配より


中也さんが怒っていたのでそちらを心配されては如何ですか｣




森｢ぇぇぇ……｣





項垂れた首領に一礼し扉に向かう






森｢Aくん。｣




貴女｢はい｣







森｢私も同じ思いだよ｣





貴女｢…上々。｣

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