斜陽2【中原中也】

第51話 ページ1

貴女side





貴女「お待たせしました」



中原「おう」





先程の変な彼は居なくなり


いつもの中也さんが椅子から立ち上がった





店「お買い上げありがとうございました」


中原「こちらこそ世話になったぜ」


店「またいらしてくださいね」


中原「あァ。また来る」




＿＿＿


＿






貴女「ありがとうございました」



中原「大したもんじゃねェよ」




いや高かった。




中原「そういや…」



貴女「なんです？」



中原「手前の口座だ」



貴女「えっ？」



ポイと渡されたのは通帳だった




中原「俺が勝手に作った」


貴女「ありがとうございま＿＿」




中原「なんだ？」




中を開いてすぐ閉じた




マフィアに入ってちょっとしか経ってないのに



0の桁が多すぎる




中原「遅くなって悪かったな」



貴女「な、何故こんな金額に…」



中原「何故って…手前は俺の部下だからなァ」


貴女「……中原中也の部下というだけで…


じゃあ五大幹部は一体どれだけ…」





……まさか




貴女「…………兄さんも元五大幹部だったんですよね」



中原「あァ」





家は元々裕福だったが


ある日さらに生活の質が一気に上がった境があった




兄さんが家を出て一年経った頃だ




両親は兄さんの養育費が無くなった分お金が浮いたと言っていたが




15歳で家を出て一年経った16歳は



兄さんが五大幹部になった頃だ……





貴女「…………まさかな…」



中原「どした？」



貴女「いえ…なんでもありません」



中原「その金は好きに使え」



貴女「…え、でも今生活費などは中也さんが…」



中原「気にすんな。」



貴女「でも、」



中原「幹部の高給なめんなよ。


それに今は良い金額に見えるかもしれねェが

手前も家を持とうと思ったら生活費なんて惜しむぜ」




貴女「家……」




そっか…



私は今家がないから中也さん家に置かれてるだけで



いつまでも彼の家にい続ける訳には行かないんだ……






貴女「……」



中原「A？」





急に寂しさが押し寄せてくる






貴女「………私…



…中也さんと離れたくありません」

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