吉良吉江は静かに暮らしたい (ページ6)

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吉良吉江は静かに暮らしたいページ6

結果から言うと私は今もデパートの会社員をしている。

マービンことゾンビマンさん(マービン呼びは右手の時だけ)が言い出した条件を受け入れたからに他ならない。

「なぁ吉良吉江さん、そんなに俺の右手が好きか？」

「好きではなく愛しています。」

「本当に気持ちわりぃ。もし俺が右手をあげるって言ったら吉良吉江さんはどうする？」

「恋人にして大切に保管します。」

「ハッ、こんなに狂った奴初めてだ。

いいぜ、俺の条件が飲めるならこの右手をくれてやる。」

彼が挙げた条件は三つ。

一つ、キラークイーンを使わず私の手でゾンビマンさんの右手を切り落とす。

二つ、ゾンビマンさん以外の手を所持しない。

三つ、同居すること。

二つは分かるが、三つ目の条件が少々不満だ。

マービンは私の恋人だがゾンビマンさんは赤の他人。

他人と四六時中一緒にいるのはストレスが溜まる。

だがこの条件を飲まなければマービンと恋人になれないと悟り、ゾンビマンさんに是と返した。

それが正しいと言わんばかりにゾンビマンさんが私の頭を掻き回すように撫でてきた。

やはりマービンの生みの親、あの素晴らしい右手で撫でられるだけで私は幸せだった。

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