【国見英】これを愛と呼ぶなら。#8

【焦らして】 ページ16

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「1年強化合宿」


白鳥沢に、宮城の1年が集められた。



青葉城西からは、俺と金田一。


伊達工業からは、トサカの大型セッター黄金川。

白鳥沢からは、ぱっつん次世代エース五色。


あとは、2mの百沢とか、まあ…いろいろ。


そんで烏野からは、月島と、呼ばれてないけど日向。



黄金川が自主練をしようぜって言うのを放っておいて、

早々に更衣室に戻ると、すぐに月島も戻ってきて着替えていた。




国見「…なぁ」

月島「なに？」


国見「…Aさん、元気？」



後ろのロッカーで着替える月島に、

自分の荷物から目を背けずに問う。




月島「…さぁ、元気、だとおもうケド」

国見「…そっか」




その返答に、少しほっとして胸を撫で下ろした。





しかし同時に、






"やっぱり、勘違いだったのかなー"






という思考が、頭を埋め尽くす。




月島「ねぇ、なんでAさんなの」





月島の素朴な疑問が聞こえて。


ボーッと考え事をしていたのが、悪かったらしい。








国見「…俺が、まだ好きだからだよ」









月島「は？」

国見「ん？」







月島の呆気にとられた声を聞いて。

今の返答が、とんだ見当違いであったことに気付いてしまった。




月島「いや…なんで王様のこと聞かないのって…」




頭を抱えて、その場にしゃがみ込んだ。





国見「〜〜〜〜ッ 分かってるから言うな……ッ…！」



ちらりと見えた月島の、勝ち誇ったようなニヤニヤ顔は、


夢に出るだろうな、と思うくらい鬱陶しかった。

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