【カゲプロ】大丈夫、救うよ。【カノ】

夜咄...12 ページ13

「わ、と…」
座る直前少し揺れて体勢が崩れそうになる。
「大丈夫っすか？」
セトさんに腕を掴まれ、無様に椅子(?)につっこむ事は無かった。
「あ、はい。さっきからありがとうございます。」
「いえいえ！」
っしょっと。と言いながらセトさんはストンと隣に座った。

ん？…隣？

「あのー…」
「何すか？」

ニコッと笑うセトさんには何でもないです、というしか無かった。

徐々に上昇していく。
ゆっくりだなぁ。
割と大きかった気がするんだけど頂上までどれ位かかるんだろう？
「これ、一周するの約30分らしいっすね。」
「あ、そうなんですか。」
一瞬心を読まれたのかとギクッとした。
…そんなわけないか。
そ、それより会話しないと。

「セ、セトさんって王子様みたいですよね。
手、差し出してくれたり、支えてくれたり…」
「そうっすか？
自然にやってるだけなんであんま気にしてなかったっす。」
おい、どんだけイケメンなんだ。
「Aさんはそういう人が好きなんすか？」
「え？あ、そうですね――「カノみたいな人の方が好きっすか？」へ？」
キョトンと一瞬間抜け面になってしまう。

「えーっと、カノ、ですか？」
カノって…どんな？
「はいっす。」
ニコニコと笑いながら聞かれてるからこれはただの興味本位とか
会話の流れとかでいいのかな？
「えと、カノはよく分かりませんけど…
王子様みたいな人は憧れますよ。
女の子は誰でもお姫様に憧れてますからね。」
これなら無難だろう。
てかまぁ別に嘘はついてないし。

「そうっすか。」

てか、なんか…

「あの、気のせいなら申し訳ないんですけど、
何か、カノとよく比較するんですね。」
「あぁ、そうっすね。

カノは、ライバルなんで。」

それまでと違う笑みにゾクッとする。

なんか…


セトさんはどんな顔しても様になるなぁ…；

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