【名探偵コナン】転生作家の心得 (ページ4)

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03.『睡魔には勝てない転生作家』ページ4

目を覚ますと、"助けてください～"と、LINEが入っていた。送り主は愛梨である。朝っぱらから何だと寝惚け眼で思っているとどうやら時間は10時を過ぎていた。

何だと思っているとLINE電話が掛かってきた。私はスワイプしてそれに出た。コールの言葉を掛ければ、相手は凄い勢いで話をしてきた。マシンガントークだ。

「つまり……君は、コナン君と毛利親子と出かけた際に殺人事件に遭遇。犯人は自白しているが、どうしてもその人は犯人の証拠がない。だから、私の力が欲しいと。

探偵に任せとけ、おやすみ」

そうして切ろうとすれば、待ってくれと叫ばれた。耳がキーンと鳴り、眉を顰める。これ、寝起きには溜まったもんじゃない。

「君の説明は端折っていてよく分からん。それに、眠りの小五郎がいるじゃないか。

私は眠い、寝たい」

「待ってね、先生！！推理作家でしょう！探偵書いてるじゃないですか！高杉さんみたいなことやめましょうね！」

高杉というのは私のシリーズ作品の主人公の一人だ。やる気なしだが、凄腕の名探偵で、後輩の滝に塩対応されている。愛梨曰く、もっと"たかたき"を増やせらしいが、意味がわからんと言っておく。

「探偵と作家は違う。本職がいるなら私は必要ないだろう……ヒントやるから自分で考えろ、動機は大義名分だ、頑張れ。」

「ちょ、先生っ」

ぶちっと私は通話を切った。あまり関わりたくないのだ、事件とかそういうのに。身が幾つあっても足りやしない。

と、言いつつクリスティファンが抑えきれなくて出版社からのプレゼントにはパスリングがあるのだが。来週、私は黒の組織の幹部二人が乗り込む地獄列車と言わざるおえない、ミステリートレインに招待されている。

それは、私の経歴が物を言っているのだがそれは今はいいだろう。取り敢えず、毎年参加している。そして毎年興奮している。私は叫びたいくらい嬉しい。

後もう少しすればきっと"眠りの小五郎"の名で、愛梨達が遭遇したニュースが上がっていることだろう。私はのそのそと起き上がった。