【名探偵コナン】転生作家の心得 (ページ5)

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04.『思わぬ布石に驚愕す』ページ5

「入稿したんですか、先生！私にも先に見せて痛だ」

「買え」

昼下がりのポアロにて。珈琲のカップを置き、私は再びパソコンへと目を落した。届いたメールに私は眉を顰めた。

「誰だ私のパソコンのメアドを勝手に教えたのは」

届いたのは付属メールだ。

「え、どうしたんですか」

覗き込む愛梨に私はぐっとソファに凭れ掛かる。私のパソコン画面に映し出されたメールに愛梨は程なくして小さく声を発した。

「すいません私でした」

愛梨は頭を下げる。全然驚きがない。私は平坦として彼女を見つつ、やや小言を呟く。

「少年探偵団に教えたんでした……、教えて欲しいと言われたから」

「一言言え」

ということは、この付属はあの動画だろうか。珈琲に手を伸ばした頃、あの男は動いた。

「どうかなされたんですか？」

愛梨は安室が来ると、バツが悪そうに肩を竦めた。本当に夢主を見ているみたいでむず痒い。事情を説明している愛梨に私は珈琲を啜った。本当に美味しい。最近より美味しくなった気がする。

「へぇ、どんなメールなんですか」

好奇心の瞳が覗いた。私は覗いてこようとした彼を阻止するようにパソコンを閉じた。すると、彼はやや驚きを見せた。まるで、思っても見なかったという顔だ。仕方ない、その柔い物腰と、甘いマスクとそのルックスじゃ簡単に人を信用させてしまうだろう。しかし、私は知っいてる、アニメ見てたから。

「"好奇心は猫を殺す"ですよ、探偵さん。プライバシー保護法を使用させていただきますので、少年探偵団にでも見せてもらってください。」

どんなに不審がられようとこの動画は見せられない。何故かは簡単だ、シェリー……宮野志保つまり灰原哀が写っているのだから。私、好きだったんだよ、哀ちゃん。本当可愛い。それに、このくらいでは不審がられないだろう、私がこれまで見せてきた性格からして。

「先生……見せてあげましょうよー、いつもの秘密主義悪い癖ですよー、厨ニ抉らせないでくださいよー」

語尾が伸びた声で彼女は私を見つめてくる。おい誰が厨ニだコラ。

「残念。海月先生ガードが固いですね、ある程度仲良くなったと思ったんですけど」

ふと見た彼の表情に、私は目を見開いた。思わず持っていた珈琲のカップを落としかけた。何故、君はそんな表情をした？それも、演技ではないものを。

「海月先生？」

愛梨の声に気を戻し、私は軽くあしらう発言で制した。本当に、何なのだ、彼は。私は珈琲を置くと、再びパソコンを開いた。