何をしていた？ ページ34
「大丈夫だ。まだ死にたくないから死なないさ」
「チャント私ガツイテイマス」
後ろにいたムーンが、そう言いながら自分にピタリとくっついた。
「は？ 何で？」
何故こんなことを言うのか分からない。
何を考えて、こんなことを？
こちらを見上げる青い目と目があった。大きな青い目に映った自分の顔はなんとも言えない間抜けな顔をしていた。
「イツデモ、側ニイラレルカラ」
「あ、そっか、うん。ありがとな」
「ははは、お前気に入られてるみたいだな」
クラウディはまた馬鹿にしたような顔で笑った。
「あぁ、何でか知らんがそうみたいだ」
「守ってくれる奴がいるだけましか。それじゃあな、本当に気を付けろよ」
「お前もな」
ばたんと玄関扉を勢いよく閉め、クラウディは帰っていった。
多分早ければ明日には来るかもしれない。
なぜかあいつはここの大家以上に家へやってくる。あるときは巡回、またあるときは聞き込み、とにかくいろいろな理由をつけてあいつはやって来る。
おかしな奴だ。
「ムーン。離れてくれ」
まだ自分にくっついているムーンを無理矢理引き剥がす。引き剥がされたムーンは少し残念そうな顔をした。
「ケーキ食えよ。せっかくお前にやったんだ、今はくっつくよりケーキ食え」
「了解シマシタ」
ムーンが大人しく席に座って、ケーキを食べ始めたのを確認してから自分の部屋に服を取りに戻った。
汚れた服を洗濯機に入れて、昨日の布団とかと一緒に洗濯しようと思った。
かごから服を取って……。
「あ、えっと……」
自分は今、何をしようとしていたっけ？
起きてから今まで何をしていたっけ？
「あー、えー、うー、あー、えっと、だから、あの……」
まずい、すっぽり抜けている。覚えてない夢を見た後はいつもそうだ。
たまにあることだけど、忘れるのは大事なことばかりだ。
思い出せ、思い出せ。
何故か汚れた服を手に持ったまま、自分の部屋を出ると少女が椅子に座ってケーキを食べていた。
あれは誰？ いや、知っているはずだ。
昨日会ったばかりじゃないか。
「あぁ！ お前は分かるぞ！ お前、ムーンだろ？ ムーン・サニィ！！」
ムーンのことを指差しながら言うと、ムーンはかなり驚いた顔をしていた。
「急ニドウシタノデスカ？」
「合ってるか？ な、合ってるだろ？ 合ってるって言ってくれ」
「……ソウデスガ、一体ドウシタノデスカ？」
「いや、ちょっと……」
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慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです！本当に大好きです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 21時) (
レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇｀)ﾉ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ！素敵です！これからの展開も、楽しみしています！ (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2018年5月13日 20時
