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実践 6 ページ14

「30点……」

「そう、30点。まぁ、お前にしてはいい感じだ」

 そう言ってモノクロは大きく切り分けたパンケーキを自分の口に突っ込んだ。

「普段から他人のことを悪く言ったり、マイナスなことばかり言ってる人間は弱い。一人じゃ何も出来ないから、簡単に騙せるし、殺せる」

 モグモグと口を動かして食べているはずなのにその動きとは一切合わないはっきりした声でモノクロは言う。

「特に女や子供はそもそもの力も弱いし、お前でも何とかなるだろ、と思ってな。それに女子供の魂はより多くの力を得ることが出来る。ほら、昔からそうだろ、呪いやまじないなんかの魔術を使ったりするのは女ばかりだったし、妖精や幽霊をよく見るのは子供だ。体の力は弱いが、そういう方面には強いんだ」

「はぁ……、そういうの全然知らなかった」

 モノクロはコーヒーを二口程飲むと、テーブルの端にあった砂糖を取り、飲んだり食べたりしない俺でもありえないと思うほどに大量の砂糖をコーヒーに入れはじめた。

「それでだ、お前には選んでもらう」

「何を?」

「この店の中にいる人間の中から誰をやるか。誰の魂を奪うか。そのためにこんなに人間がいる場所に来た」

「えっと、その、ここにいる誰かを殺せってことでいいかな?」

「あぁ、そうだ。一応手伝ってはやるが、自力でやれ。悪魔らしく人間ぶち殺して魂を奪ってみせろ」

「わ、わかった。じゃあ、あそこの席の人で!」

 よく考えもせず、適当に指を指した。

 考えたってよく分からない。悪魔のことだってよく知らないのに、人間のことなんて余計に分からない。自分でも殺せそうな人間とかもっと分からない、全員強そうに見えてしまう。だから適当に選んだ。

「……ちゃんと考えたのか? お前、本当にあれでいいのか?」

 ほとんど砂糖のコーヒーを一口飲み、モノク
ロが言う。皿の上のパンケーキはいつの間にかなくなっていた。

「う、うん。あれでいい、かな」

 俺が指差したのは、恐らく学校の制服であろう服を着た、黒髪を腰の辺りまで伸ばした暗い雰囲気の少女だった。

「へぇ、お前ああいうのが趣味なのか?」

 ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながらモノクロが言う。

「いや、別にそういう訳じゃないけど」

「まぁ、いいや。それで、どうするんだ? もう店を出るようだが」

 少女はもうすでに空であろうコーヒーカップとお皿をテーブルの端に寄せ、伝票と鞄を持って立ち上がったところだった。

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- ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時

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