一目惚れ。 From 芽衣 ページ16
16：32
＞繰り上がり、早く終了したため在待機してもらっておりますが今日はこのままお送りしてもよろしいでしょうか？
既読の付かないメッセージを待ちながら横目で再び二人を見守る。
櫻井さんはにっこりで、少し見た私の目を見てさらに笑みを深めた。
今日、東京でそこそこ大きい有名なお祭りが開催されるらしい。
天気は快晴、花火もさぞ美しく大空に栄えるだろう。
―――――行くつもりだ。絶対、確信犯だ。
タレントの行動を制限するなどことありえないないだろうが彼らは特殊な仕事上、我慢。してもらうことも多いのが事実で、こちらも鬼ではないからなるべくなら行かせてあげたい。
でもだ。
「早く、終わったね。椎名さん。ね。ね。」
「そうですね。」
今にも踊りだしたい気分だよ。とでも言わんばかりの表情は
――――――イラ。
でもなと。
皮の下は一介の男性なわけで、気になる女性がいても不思議じゃなくて。
そう考えると、少し同情の余地もある気がした。
「やーいいねぇ。楽しい。」
…………………。
16：34 既読
＞了解しました。今日は終了ですので送り届けたのち椎名さんは事務所の方まで。
「((バチッ」
「………終了です。」
「ニノ帰ろ！」
いやっふぅと言ってしまった櫻井さん。
その後を、携帯から顔を上げずについていく二宮さん。
と、その二宮さんが不意に振り返った。
櫻井さんを気にすることなく苦笑した。
「翔さんあー言ってるけど、いいの？」
「気が付かれなければ基本的にいいですけれどね……。」
「その隣の人が問題かぁ。」
「よくご存じで。」
「そりゃあ私は、嵐。ですから。」
「二宮さんが付いて行ってくれれば何かと助かるのですがねぇ。この後は？」
少々踏み込み過ぎたかな？
急に愛想笑いもなく黙った二宮さん。心配になった時、んーと唸った。
「今日はやっぱり無理だよね……。」
一瞬何のことか分からず聞き返そうとしたけれど。
―――――――なるほど。
無意識なのだろうけれど、その独り言は確実に画面の向こうの一人に向けてあった
16：36
＞あまり望ましい形ではないかと。
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作者名：DJ×MJスタッフ一同
x他1人 | 作者ホームページ：.
作成日時：2014年8月30日 0時
