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ぐらっと揺れる感覚と共に目が覚める。


視界が滲んでよく見えない。



「A、お前大丈夫かよ」



目元をごしごしと袖で拭い、
前を見ると、咲が心配したような、
焦っているような顔で僕の顔を覗き込んでいた。

急に目が覚めて、上手く反応出来なかった。


「すっごい魘されてたけど......。なんか嫌な夢でも見た?」


夢。
そうだ、夢だ。


咲、ちゃんといる。
よかった。
よかった......。


安心したせいか、また涙が溢れた。
予想外で、慌てて強く目元を擦った。

それでも止まらなくて、
このままじゃ咲に
変な心配をかけてしまうと思い
必死に涙を止めようとした。

既に目元が爛れている気がしたけど
構わずに何度も拭った。


「おいおいやめろって! って、目ぇ赤くなってるし......」


咲が見兼ねたのか
僕の腕を掴んでやめさせてきた。

ごめん、と口パクで言って
泣き顔を見られたくなくて俯いた。
なんでか震えが止まらない。

咲に掴まれた手も震えていて、
多分、気づかれた。


「そんな怖い夢見たのか?」


小さく頷いた。
はぁ、と咲が溜息を吐く。

恥ずかしさとよくわからない恐怖心が
混ざりあったせいか、頭の中が真っ白だった。


咲が僕の手を離して、
僕の横にストンと座った。

そして肩を組むようにして、
頭にぽんっと手を置いてきた。


「何見たのかわかんねーけど、大丈夫だって。所詮夢だし? 忘れとけ」


......励ましてくれてるのか。
暖かい気持ちになる。
やっぱ、こいつ、根は優しいんだよなぁ。


「大丈夫、な?」


と、子供をあやす様に言われる。
ほっとして、落ち着いてくる。
震えが止まった。ついでに、涙も。

ありがと、と口パクで言うと、
伝わったのか、ニッと笑って返された。

長男っぽいなぁって思った。
確か1人っ子だったけど、咲。

すっと立ち上がって、
咲が頭の傷を指差す。
これありがとな、と言った。

そして部屋干しにしていた
自分の服を取る。


「俺そろそろ帰るわ。服返すの明日でいいか?」


頷く。多分まだ乾いてないし。

送るために僕も立ち上がる。
時計を見ると、今は23時だった。
結構寝てたんだな......。




座ったまま寝てたせいで背中と腰が痛い。
しょうがないか......。

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霊火@nightrainbow.クリスタ(プロフ) - 更新待ってます。 (2022年7月26日 16時) (レス) id: cbcf5b3031 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Re: x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2017年3月11日 3時

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