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咲を送り終えて、
部屋に戻ろうと踵を返したところで
兄さんとそらるさんにばったり会った。


そりゃまあ、会うか。
家の中いるんだし。


「お、何してんの?」


手帳をポケットから取り出して、
「咲を送ってた」と書こうとしたら
兄さんが「あれ?」と
言って僕に近寄ってきた。


じーっと僕の目を見てくる。
思わず動きを止めてしまって
「咲を」まで書いたところで
終わってしまった。


「どうしたんだよ」
「あ......うー、えっと、なんでもないです」
「はぁ?」


兄さんはハッとして、
そらるさんの方を振り返った。
多分、気づいたんだろうな、泣いてたの。

でもそらるさんがいたから
口に出さなかったのだろう。

これ、そらるさん帰ったら
絶対何か言われるな......。


そらるさんの質問に答える
タイミングをなくしてしまった。



「あ、時間。俺帰るわ」
「はい! 次は負けませんからね」
「どーかな」


そらるさんが靴を履きながら得意気に笑う。
今日はボロ負けだったのかな。

ついでだから、僕もそらるさんを見送った。
この場で去るのはなんか失礼だし。


そらるさんに手を振った。
またな、と言って
そらるさんが帰っていった。


ドアが閉じたところで
兄さんが「......で?」とちょっと
怒ったような声で言った。



「なんで泣いてたの」



嫌な夢見た、って昔答えたら
僕が本気で嫌がるまでずっと
一緒に寝てきたんだよな、この人。


手帳に「なんでもない」と書いて
その場を去ろうとした。

が、兄さんに腕を掴まれてしまった。



「桐原くんのせい?」



桐原。咲の名字だ。

反射的に振り返り、
軽く兄さんを睨んで首を横に振った。
友人を悪く言わないでほしい。


多分咲のせいじゃないと
わかって言ったんだろうか、
もしくは睨まれて違うとわかったのか。
兄さんはむっとした表情のまま言う。



「じゃあ何なの」



関係ない、と口パクで言った。



「関係無くないっ!! Aが僕のこと何だと思ってるのか知らないけど、家族が泣いてたら心配するに決まってるでしょっ!?」



まさか伝わるとは思っていなかったので驚く。



家族。



久々に聞いた言葉だった。

僕と兄さんが?

僕と、相川真冬が?


家族?





......そりゃあ、血は繋がってるよ。
それに兄さんなんて呼んでる。



けど。



けどさ。




僕にとっての"家族"は。








今も昔も、この先も。
ずっと両親だけだ。

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霊火@nightrainbow.クリスタ(プロフ) - 更新待ってます。 (2022年7月26日 16時) (レス) id: cbcf5b3031 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Re: x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2017年3月11日 3時

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