拝啓××様 3【銀魂】 (ページ38)

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相手は銀さんなのでページ38

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「銀さん今日は！！」
「おー」

いつもより僅かながら浮き足立つ気持ちで私は銀さんに挨拶をする。銀さんはやって来た私を見上げて「なんか疲れてる？」と首を傾げた。

「ここに来る前に隊の皆から大分足止めを食らってしまいまして…」
「相変わらずアイドルやってんなァ」
「そういうのでは無いですけど…」

でも、皆のことは大好きです。そう言ってはにかむと銀さんは目を細めて小さく笑った。

「初めの頃は不安そうな面ばっかしてやがったのに…今となっちゃあ一人前の真選組隊士ときた。大したもんだなァ」
「それもこれも銀さんのお陰です」

まだ馴染めていない頃、江戸に出てきて不安でいっぱいだった頃、誰よりも私を支えてくれたのは…私の背中を押してくれたのは、他でもない銀さんだった。

銀さんは、ずっと…側に居てくれた。

「ありがとうございます」

そう言って頭を深く下げると銀さんは虚を突かれたような表情で一瞬固まると…、

「何だよ急に」
「いえ、何だか言いたくなったので」
「あっそ」

プイッとそっぽを向いてしまった。その耳は僅かに赤い、照れているんだなぁ…と私はくすりと笑った。銀さんはそれに気付くと不満顔になって。

「なに大の大人笑ってんだ小娘」
「だって銀さん可愛いなぁって」
「オーケー、俺もう怒った。絶対ェ許さねェ」

銀さんはむにむにと私の頬を掴んでぎゅーっと両側に引っ張る。それが意外と痛くて「やめてくらはい…」と涙目で訴えると銀さんからは「ヘンな面」と笑われてしまった。

「もう可愛いとか言わねーな？」
「いいまへん！」

銀さんは私の返事に頷くと「良い子だな」と言って頬を解放してくれた。ヒリヒリする、けれど…銀さんが楽しそうだったから。別に良いか、なんて寛容な気持ちにもなってしまう。私もつくづく銀さんに甘くなった。

「じゃ、良い子にはご褒美あげねーとな」
「ご褒美ですか？」
「ほらよ」

手ェ出せ、と銀さんに言われるがまま私は何も警戒せずに手を出した。銀さんは苦笑して「出せつった俺が言うのも何だけどマジで警戒心ねーな」と。

「だって銀さんが相手ですから」
「それアレか、俺なら安心とか言いてーのか」
「それも…ありますけど」

銀さんが相手なら何されても良いです、とはお淑やかヒロインとして口には出さない。「何だよ」と凄む銀さんに私は曖昧に笑ってみせると「手、出しましたよ」と言った。