関係性 ページ24
そんな俺の青ざめた顔を見てお妙は「あんまり嬉しくなさそうですね」と。そりゃ殴られて嬉しいのはドMだ、俺は生粋のドSだし。
「チョコですよ、チョコ」
「あー…そっち?」
「甘党でしたよね?だったらチロルチョコでも嬉しいと思ったんですけどねぇ」
と、お妙は頬に手を当て小首を傾げる。別に嬉しくない訳じゃない、表立って喜ばなかっただけで、チョコに罪は無いのだから。
「あ!もしかして銀さん、他に欲しい人がいたとか…?」
「は?」
「それで浮かない顔してたんですか」
パァッと顔を明るくして手を叩くお妙。「それならそうと言って下さいよ!」なんて、お前が何で嬉しそうなんだ。
「やだもう銀さんも隅に置けないですね!!新ちゃんも銀さんに何だか良い感じの人がいる〜だなんて言ってましたけど私は半信半疑で」
「ちょっと待て何でお前ら姉弟の間で俺の色恋話が出んの、思春期の息子を持つ親か?てめェらは」
そんな俺のツッコミをにっこり笑って受け取るお妙は「色恋話ですか」と。ヤバい、口を滑らしたかコレ。俺はゴホン、と一つ咳払いをして、
「何を勘ぐってんのか知らねーけど、俺とAはそういうんじゃねーよ。アレだよ?アレ、ほら…何つーの……友達??、そりゃ違ェか?」
「いや私に聞かれましてもね」
お妙は苦笑するばかりで、俺はと言えば自分とAの関係性について改めて考えてみた。そう言われてみると何と形容して良いのか分からない関係性である。友達、というのは違う。
じゃあ何だ、恋人か?そんなモンになった覚えはねェ、惚れた腫れたの話とは違う。じゃあ、やっぱ友達か。いや、年齢を考えろ。相手は一回り近く歳下の女だ、不純過ぎるだろう。
毎日会っては駄弁って茶を飲む、毎日会うのは恋人か?いや、だからそれだと友達以上に犯罪臭ェ。でも相手はポリ公、そんで俺は元攘夷志士。じゃあ、公務員と元犯罪者か。これで解決って…ンな訳ねーだろ!
「何だろうな…アイツ」
ポツリと呟き項垂れる。お妙はクスクスと俺の百面相を楽しんでいた。いや、なにが面白いんだよコラ。…と、言えるような余裕とやらはどこかに行ってしまった。それよりもAとの関係性が頭に引っかかる。
橘A、一回り近い歳下の女。
毎日俺に手紙をくれる、近況報告みたいな内容でロマンなど1ミリもない手紙。綺麗な字で綴られた繊細な内容が俺は好きだったりする。
甘い物をよく食べる、俺と同じだ。そういう時の笑顔は結構可愛いと思う。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - ダイスケさん» ありがとうございます!全力をかけて完結を目指したいと思いますね!! (2017年2月11日 19時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
ダイスケ(プロフ) - 月ヶ瀬ましろさん» これからも頑張ってください!!( ´ ▽ ` )ノ (2017年2月11日 18時) (レス) id: e508cab75b (このIDを非表示/違反報告)
月ヶ瀬ましろ(プロフ) - ダイスケさん» コメントありがとうございます!わわ…お気に入りまで!お褒めに預かり光栄な限りです(´∀`*) (2017年2月11日 18時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
ダイスケ(プロフ) - すごく面白いです!お気に入り登録しました! (2017年2月11日 15時) (レス) id: e508cab75b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月ヶ瀬ましろ | 作者ホームページ:http://twitter.com/hearty__smile
作成日時:2017年2月8日 21時