あらぬ誤解 ページ16
「だーッうっせェなクソガキ!!」
「だ、誰がクソガキですか!?立派な18歳に向かって!!!」
噛み付かんばかりの勢いで叫べば「そーか、そーか立派な18歳か」と何やら言いたげな言い方で銀さんはニッコリ笑う、しかし目は決して笑っていないのだけれど。
「で?そのご立派な18歳サマは、生きて帰ろうと約束した矢先に?なに飛び降りようとしてんの?舐めてんの?死にたいの?マジ何なの?」
「と、飛び降り…!?そんな事誰もしてないじゃないですか!!ただちょっと身を乗り出しただけで…」
「おまホントに学習しないね、馬鹿?もう究極系の馬鹿?」
(む、ムカつく…!!!!!)
ただ守られっぱなしというのは申し訳なくて、情けなくて。少しは役に立ちたいと思ったから、だから少しの無茶を敢行しただけだと言うのに。
「もうヤだ銀さんの馬鹿ッ!!!!」
「うっせェェェ!!耳元で叫ばんじゃねーよ、ヤッかコノヤロー!!!」
「知りません!もう銀さんなんか嫌い!!大っ嫌いッ!!!!!」
うぅ…と字面よりずっと濁った声で私は銀さんを威嚇する。まるで犬が唸っているかの様に。…そして握った拳を震わせて、
「私だって…銀さんにッ!!死んで欲しくないんですからぁ〜〜ッ!!!!!」
「!?」
うわぁぁぁぁんっと思い切り泣いた。それはもう本当に、こんな泣き方をしたのは何年振りかと思うほど思い切り。まるで幼子が駄々をこねる様に、無様に汚く泣きじゃくった。
「も、うッ…怖かったん…ですっ……か、らッ!当たっ、ん…無かったら……どう、しようッ…てっ……銀さんがっ…怪我を、したッ…らって……っ……」
「A…」
うっ…としゃくり上げて、我を忘れそうになりながらも頭の片隅で汚い泣き顔を見られるのが恥ずかしくなって銀さんの胸に顔を押し付ける。銀さんはゴクリ、と息を飲んで、
「お前…俺の着物で鼻水拭いたらぶっ飛ばすかんな」
「今それ言わなきゃダメな台詞ですか!?」
無慈悲な言葉に堪らず顔を上げた、上げた…。思考回路が停止するかと思った、何故なら。
「ぎ、ん…さん?」
「…うるせェ」
「泣いてるんですか…?」
「黙らねェと口塞ぐぞ」
「え、だって…どう見ても、」
目が潤んでいた、何で…泣いているのか分からないけど。その涙は溢れる事は無いのだけれど。銀さんは「だから黙れつってんだろーが」と私から潤んだ目を逸らした。
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - ダイスケさん» ありがとうございます!全力をかけて完結を目指したいと思いますね!! (2017年2月11日 19時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
ダイスケ(プロフ) - 月ヶ瀬ましろさん» これからも頑張ってください!!( ´ ▽ ` )ノ (2017年2月11日 18時) (レス) id: e508cab75b (このIDを非表示/違反報告)
月ヶ瀬ましろ(プロフ) - ダイスケさん» コメントありがとうございます!わわ…お気に入りまで!お褒めに預かり光栄な限りです(´∀`*) (2017年2月11日 18時) (レス) id: 9b1d9c93d0 (このIDを非表示/違反報告)
ダイスケ(プロフ) - すごく面白いです!お気に入り登録しました! (2017年2月11日 15時) (レス) id: e508cab75b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月ヶ瀬ましろ | 作者ホームページ:http://twitter.com/hearty__smile
作成日時:2017年2月8日 21時