虎の娘《２》 (ページ35)

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そんな感じで終始グダグダなまま終わりの時間が近付いてくる。

A 「はい、じゃあ今回この3人でラジオやってきましたけどどうでしたか？」

松倉「俺は純粋に楽しかったよ、ラジオっていうか普段の雑談みたいな気分だった」

松田「松松とかAちゃんとふたりとかはあったけどこの3人って何気に初めてだったからやりたい放題出来て楽しかった」

確かに言われてみれば3人での仕事は初めてかもしれない。

ふたりだと少しは協力しないと進まないから気を遣ってたけど3人だと私とまちゅに任せられるから弾けてたってことか、

出来ることならやめて頂きたいけど楽しかったのは私もそうだから何も言えない。

松倉「Aはどうだった？」

A 「本当に一瞬仕事なの忘れかけたぐらい素で居られて楽しかったです！あと意外とまちゅが頼りになると思った」

正直最年少だけど仕切り役を任されるということは私が一番しっかりしていると思っていた。

でも、さり気なく裏回しをしてくれたり足りていないことがあったら言ってくれたり今回はだいぶまちゅに助けられた。

松倉「意外とってなに(笑)」

A 「いいじゃん、細かいことは気にしないで」

そして収録も終わり3人揃って楽屋まで戻る。

松田「割と普通に仕事だって忘れてた」

A 「ガチで言ってる？(笑)」

松倉「要らないこと言わなくて良かったね」

A 「うみと遊んでるっていうのは十分要らないことだけどね」

軽くそう言うと少しだけふたりの表情が堅くなった気がした。

松田「…いや、まあ確かに言わなくても良いんだけどね。嫉妬しちゃうな～みたいな」

A 「じゃあ元太もいっぱい遊ぼうよ」

松田「いや、海人は俺の気持ち知ってるし多分やめといた方がいい」

松倉「元太なりの反抗だったんだよ(笑)」

よく分からないけどまちゅから「もう言うな」という雰囲気を感じたから黙る。

松田「まあ、あそこで否定されてたら俺キレてたけど(笑)お幸せにね」

元太が私に笑ってそう言ったと同時に楽屋に着いた。

もう時間も遅かったから早く帰ることだけに意識が向いていて理解出来ない言葉のことは完璧に忘れていた。