虎の娘《２》 (ページ28)

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推しページ28

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今日のスケジュールはYouTube撮影とそのあとに軽い雑誌撮影。

集合時間の30分前、もう既にうみ以外は全員集まっている。

松田「みんなって推しとか居るものなの？」

いつもと変わらずのんびりしていると元太が突然そう言った。

A 「私は一生しめちゃんだよ」

七五三掛「それは嘘だ」

A 「ほんとだって！しめちゃんほど可愛い子この世に存在しないと思ってるもん」

七五三掛「あんまり言い過ぎたら怖いからやめて」

A 「うみ居ないから言ってるんだよ」

当然のようにそう言うと至るところから「悪魔だ」とか「海人騙されてる」とか色んな声が聞こえてくる。

そもそも推しの可愛いと好きな人の可愛いって違くない？なんて

松田「俺はずっとAちゃん推し」

A 「え〜なにそれ嬉しい」

わんこのような笑顔で近くに来てそう言ってくれた元太に思わず微笑み返す。

松田「Aちゃん以上にいい子教えて欲しいぐらい」

A 「担降り禁止だよ」

松田「そんなの出来るわけないけどツラいもん…」

さっきとは一変して落ち込んだような表情になった元太に着いていけないでいるとうみが来た。

中村「…みんな早くない？」

川島「集合時間5分前ですけど(笑)」

当たり前のように私の横に荷物を置いてずっと居たかのような雰囲気で椅子に座る。

宮近「海人は推しとか居るの？」

中村「推し？ジャニーズで？」

宮近「うん」

ひとりで勝手に携帯を触ろうとしたうみに咄嗟に宮近が話しかけてうみもこの話の輪に入る。

中村「…推しは居ない」

うみはさらっとそう言ってまた壁の方を向いて携帯を触り始めた。

松田「…嘘でもAちゃんって言いなよ」

中村「なんでAに気遣って嘘つかないといけないの(笑)」

松田「やっぱり海人より俺らの方がAちゃんのこと大事に出来るよ」

私と付き合い始めてから唐突にピリピリし始めた元太とうみがまた喧嘩を始めそうになっている。

止めるべきか迷っていると宮近に静かに止められた。