検索窓
今日:1 hit、昨日:24 hit、合計:68,857 hit

. ページ27










それから本番の日まで揃ってリハーサルが出来たのは本当に数回だけだったけど、嶺亜くんは他の仕事もあるなか全部完璧に仕上げてきた。









これが本当のアイドル。プロ根性。









私の前でも失敗したことは無くて弱音も聞いたことがない。









心の底から尊敬出来る先輩のひとりだと改めて思った。









そして本番も一発で難なく成功させて予定時間より圧倒的に早く収録は終わった。









嶺亜 「これで大丈夫なんですか?」









私から見ても完璧だったのに自信無さそうにスタッフさんに聞いている。









スタッフさんが頷くのを見ると笑顔になってお礼を言っていた。









嶺亜 「Aちゃんもお疲れ様ありがとう」









A 「あ、お疲れ様です」









嶺亜 「なんかトラジャのみんながAちゃんのことすぐに受け入れられなかった気持ち分かったかも」









スタッフさんと話したあと迷うことなく私のところまで来るといつもと変わらない雑談でもするようなトーンでそう言った。









A 「…え、」









嶺亜 「こんな真面目で素直で素質もあってさらに努力家な後輩が突然入ってくるってシンプルに怖いよね、いつ潰されるか分かんないもん」









A 「そんな…私そんなつもりじゃ…」









嶺亜 「トラジャって謙虚だからあの時期にAちゃんぐらい出来る子が入ってくるって絶対自信無くなって自分ダメだって思ってただろうし逆によく受け入れられたねって褒めてあげたい」









当たり前のようにさらっとそう言うとすぐにスタジオを出ていった。









小さい頃からずっとこの事務所に居てほぼ何でも経験してきた嶺亜くんが言うと説得力がある。









確かに宮近も閑也も相談する度に「俺らが頑張るからもうちょっと我慢して」的なことを言っていた気もする。









もし今私より圧倒的に出来る子がもうひとり加入するってなったら絶対受け入れられないし悔しくて情けなくてやる気も全部無くなってしまうと思う。









あの時のみんなはそうだった…?









私がみんなより実力があるなんて一度も思ったことは無いけど、嶺亜くんの言う通り謙虚すぎるぐらい謙虚な人たちだからそう思われていてもおかしくなかった。









そう考えると改めて受け入れてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいになった。

推し→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
285人がお気に入り
設定タグ:TravisJapan , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美紀(プロフ) - 移行おめでとですコロナに気をつけてくださいね (2021年10月22日 8時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:y | 作成日時:2021年8月24日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。