虎の娘《２》 (ページ21)

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その後ページ21

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うみと遊んだ次の日からも有難いことに仕事は毎日入っていて落ち着いて話す時間は無かった。

どう接すればいいのか悩んで私は寝不足気味なのにうみは特に何も気にしていないみたいで分からなかった。

今日の雑誌撮影のテーマは理想のデート。

仕組まれているのかと疑いたくなるけどペアはうみだった。

でもこれはずっと前から聞いていたこと。

だからこそ今日会う時のテンションが分からなかった。

中村「…気まずい？(笑)」

みんながそれぞれのペアで集まっていくなか真ん中で一人で立っていると控えめにうみが近くに来た。

A 「大丈夫」

中村「いいよ、ペア変えてもらう？」

別にうみが嫌だったわけじゃないけど、素っ気なく返事をしてしまうとすぐにうみがカメラマンさんのところに相談に行った。

中村「元太にしてもらったけど良い？」

A 「ごめん、私うみでも大丈夫だよ」

中村「俺でもって言い方やだ(笑)」

そう言ってまっすぐ元太とペアになるはずだった宮近のところへ行ってしまった。

返事を先延ばしにしているのは私なのに、私よりもうみの方が怖いはずなのに気を遣って笑ってくれるのが申し訳なかった。

松田「…じゃあよろしくお願いします」

A 「なんか、堅いね(笑)」

松田「Aちゃんはどういう感じがいい？」

一瞬も無駄な話をしないですぐに撮影の話に入る元太に少しだけ違和感を感じたけど、それよりもうみを傷付けてしまったかもしれないことがずっと心にあった。

松田「Aちゃんってほんと素直で可愛いね」

A 「…え、まだ撮影始まってないよ」

閑也と如恵留の撮影を隣で待っている間突然元太がそう言ってきて思わず普通の声量で反応してしまう。

まだ恋人モードに入るのは早くない？

未だにうみの言葉ですら処理出来てないのに。

松田「これ以上Aちゃんのこと混乱させたくないし俺は言わないけど、多分海人はそんなAちゃんだったから好きになったんだよ。少なくとも今はちゃんと大事に思ってる」

A 「…何の話？」

何かを諦めたように話し始める元太の言葉をひとつひとつ丁寧に整理するけどやっぱり分からない。