虎の娘《２》 (ページ11)

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宮近「まって飲み会なんか行ってたの！？」

中村「酔った勢いでってこと？ろくな男じゃないよそれ大丈夫？」

ちょっとさすがに適当すぎたのか祝ってくれていたみんなも少しずつ否定モードに入ってきた。

松田「Aちゃんほんと見る目ない」

A 「会ったことないのにそんな言わないでよ」

吉澤「もし世間にバレたら叩かれるの俺たちなんだよ、分かってる？」

七五三掛「俺そんな男のために頭下げたくないよ」

架空の人のことだからどれだけ言われても何も思わないけど、急に雰囲気が変わったみんなが少しだけ怖かった。

中村「そいつの良いところ10個言えたら許す」

どこかピリピリした雰囲気のなかうみがそう言った。

A 「…駅まで送り迎えしてくれるとか、店員さんに敬語なとことか、あとは…」

宮近「もういいよ、責めてごめん。ちゃんと隠し通してね」

思った以上に何も思い浮かばなくて言葉に詰まっていると、少しだけ怒っているような宮近に途中で止められる。

松田「ねえ、Aちゃん。別れろとは言わないけど前俺の良いところは迷いなく言ってくれたじゃん。本当にその人でいいの…？」

そのまま黙って楽屋を出ていってしまった宮近のことを目で追っていると心配そうに元太がそばに来た。

軽いドッキリのつもりだったのにここまで大事になると逆にどうネタばらしすれば良いのか分からない。

中村「どうして欲しいとかじゃないけど同窓会でもなく女の子とお酒飲んでそのまま付き合うような奴、俺は苦手だな」

今度ははっきりと目を見てそう言われて何も言えない。

松倉「好きな人のこと否定されるってツラいよね、ごめんね。でもこの世界ってそれだけ気遣わないといけないんだよ。お願いだから撮られないでね」

まちゅに優しくそう言われて"飲み会"の単語を出した瞬間みんなの雰囲気が変わった理由が分かった気がした。

確かに私ももしみんなから飲み会で出会った人と付き合うという相談を受けたら反対すると思う。

偏見だけどこっちの事情気にしてくれなさそうだし、

冷静になってみんなの顔を見ると怒っているというよりは心配している表情をしていた。