斎宮宗 ページ11
彼女とは別れた。
辛かったのだ。
僕が、彼女をなくしてしまう。
…彼女は僕に尽くしてくれた。
僕が、そう望んだ。
素直で、純情な彼女は僕の思い通りに動いてくれた。
僕に向ける目はいつもガラス玉のように輝いていて、透き通っている。
人形のように白く透明感のある肌。整った顔立ち。
僕の、好きな人間だ。
言うことを素直に聞き入れ、僕の思い通りに動く。
まるで操り人形のように。
文句のつけようがなかった。
…なかったはずだった。
ある日から、違和感を感じ始めた。
『違う』…って思った。
そして、気がついた。
彼女は、彼女じゃない。
僕は彼女を愛していた。
けど。
僕が愛していた彼女は…彼女じゃなかった。
じゃあ、彼女はどこへ行ったんだ。
…最初は、まだ彼女が見えていた。
けど、日に日にその姿は遠くなっていく。
彼女に、戻ってきてほしかった。
…けど、なにをしても戻ってきてくれなかった。
辛かった。
ついに、彼女の姿を見失ってしまった。
…だから、ここにいる彼女は、彼女じゃない。
彼女じゃない彼女は、彼女ではない。
彼女が彼女じゃなくなったのは…。
紛れもなく…。
……。
僕のせいだ。
*
…長い夢だった。
目を覚ますと、よく見知った教室だった。
僕は教室の床で壁にもたれかかっている。
…毛布がかけてあった。
きっと影片が気を 使ってくれたのだろう。
周りにはまだ途中のライブ衣装が放り出されている。
…どうも集中出来なくて、気がついたら寝てしまっていたようだ。
「……」
窓を見ると、空が赤く染まり出している…。
もうこんな時間か。
今日はもう帰ろう。
そう思い、立ち上がり体を伸ばす。
…今日はやけに寒いな。
「……」
嫌な夢を見た。
もう、辛いことは忘れたい。
さっさと帰ることにした。
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ハム公(プロフ) - ほたるさん» 前作も読んでくださったんですね…!ありがとうございます!了解です。順番に消化していくので、遅くなる場合もありますが…必ず書きますので気を長くしてお待ちくださいm(_ _)m (2017年10月29日 23時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - はすみんが可愛すぎて死んだ・・前のやつの最初は笑いまくりました!!リクエストで私は君よりも〇〇さんが好き(憧れ的な意味、好きではない)と言ってみたをお願いします! (2017年10月29日 21時) (レス) id: 836cda0430 (このIDを非表示/違反報告)
ハム公(プロフ) - *神*威*さん» 了解です!ありがとうございます。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - 誤字スミマセン!(笑)引き受けていただきありがとうございます!転校するでお願いします。 (2017年10月23日 9時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
ハム公(プロフ) - よつぎさん» わーありがとうございます!転校する、ということですかね…?EveとAdam頑張ります…笑 (2017年10月22日 17時) (レス) id: 9d4c60e419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴木 | 作成日時:2017年10月14日 23時