ハロー、吹奏楽部 ページ2
「こんにちは!AAです!どうぞよろしく!」
クラスメイトへの挨拶は元気よく、簡潔に済ませる。
放課後は、部活に勧誘してくるクラスメイトを笑顔でスルーし、私は音楽室に直行した。
「こんにちは!!本日転校して参りました入部希望のAでしゅっ?!ぅ、いひゃい……」
勢い余って舌を噛む。あっはっはと笑いながら、ふくよかな女の先生が私の肩を叩いた。
「はいはい、君の担任の先生から話は聞いてるよ!なんでも転入が決まったその日から吹奏楽部の話しかしてなかったんだって?」
「えっ、えへへ……どうしてもここの吹奏楽部に来たくて、私。」
「嬉しいこと言ってくれるじゃなぁい!ささ、どうぞ。まずは見学から!パートとかも決めなきゃ行けないから、色んなパートを見てってね。」
「はい!」
私は吹奏楽部経験者では無い。ただかっこよく楽器を吹く人達に憧れて、ずっと自分もやってみたいと思っていただけだ。
だから楽器の種類も知らないし、もちろん吹いたことなんてない。
それでも体験させてくれた先輩たちは私のことを褒めてくれた。もしかしたら私、楽器の才能あるかも……なんて!
「うん、一通り管は体験したみたいだね。じゃあAちゃん、次パーカスのところ行こっか。」
小さくて可愛い副部長さんが、私の方へ向かってきてこう言った。
「はい!……え?パーカス?」
「パーカスって言ってもピンと来ないかなぁ、んん……打楽器って言ったらイメージ付く?」
打楽器、だがっき……打つ、楽器?
「えと……叩くやつですか?タンバリン、とか……太鼓とか?」
「そうそうそんな感じ!パーカスは種類豊富だよ〜、色んな楽器あるから〜。」
へえ、と息が漏れた。そう言えば、記憶の中に大きな太鼓を叩いてたりトライアングルを鳴らしてる人も居たかもしれない。
でも、私が魅力を感じるのは管楽器の方だ。やっぱり打楽器って誰でも出来る感じがしちゃう……。
打楽器の人達が居る部屋へ、先輩に連れられ移動する。
「パーカス、入るよ〜。体験の子来た!」
そこに、居たのは
「あ。……え?聞いてなくない?体験?マジか」
「え〜〜〜何?!新入生?!え?転入生?!」
「うわ副部長だ、プラモ隠そ……な、何もしてなかったですけど〜」
「めんどくさ。」
「上履きの色が先輩だ……2年生の転入生さん?」
何だか、楽器を吹いていた人たちとはイメージの違う人たちが、いた。
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作者名:俺 x他1人 | 作成日時:2021年2月8日 10時