Lifesaving - 感じる鼓動 - 5章

・ LIFE ２２５ ページ39

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優輔くんの病室を出てICUに戻ろうとその道を歩いていれば突然曲がり角で誰かに後ろから腕を掴まれた。





『きゃっ、！』





全然気が付かなかった。




真後ろに立っていたのは脳外の、





『……新海、先生？』


新海｢A先生。いいや…Dr.Aizawa｣





その単語を聞いた瞬間に、自分の名前のはずなのに頭の中が真っ白になった。





どうして、あなたが知ってるの。





どうして、あなたの目はそんなにも冷たいの。






新海｢俺はお前を許さない。｣





そう言った声が頭の中に変に響いてグワングワンと揺れる。





『……は、』


新海｢新海 凛。｣


『はい？』


新海｢新海凛を知ってるか？｣





新海凛…？誰？新海ってことは新海先生の親族か誰か？





新海｢やっぱり君は最低だな。医者の癖に何も出来ない。そんな医者ならこの世界にいらない。君のような医者がいなくてももっといい医者がいる。｣





目障りだ。吐き出すように紡がれた言葉を私の耳に残して去っていった黒いスクラブをボーッと見つめる。





藍沢｢……A？｣





肩をぽん、と叩かれたことに異常に反応してしまう。





藍沢｢どうした｣


『ごめん、なんでもない。』





スルリと耕の横をすり抜けて通り過ぎていった。




私、あの人に何をした？私何もしてない。なんで？だって…分からない。




頭の中は真っ白で何をしていいか分からなかった。




背後で私の背中をずっと見つめる彼の視線にも気付かずに。






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