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完全に思考が停止した。
目の前の笹塚さんは、これから自分が起こす事に興奮が収まらないという顔をしている。
私はついに耐えられなくなって、その場に崩れ落ちた。
「ああ、怖いんですね先生。でも大丈夫です、私も直ぐにあとを追いますから…」
『……ゃ、』
「こんなに涙まで溜めちゃって、かわいい」
笹塚さんはヒヤッとしたその指先で、私の目元を拭う。
そして、片手に持ったそれをそのままに私をぎゅっと抱き寄せた。
手も足も縛られていない。
口はもちろん、目だって塞がれていないのに。
抵抗する術はあるのに、私はもうそうすることを諦めていた。
きっと彼女の狂気にはどう足掻いても勝てないと思ってしまったんだ。
「でも、このまま直ぐに、っていうのも惜しいなぁ」
『………ッ』
「ねぇ先生、最期くらい愛し合いましょ？」
耳元で呟かれた言葉と同時にプツリ、胸元が緩くなったのを感じた。
ぞわりと全身が総毛立つ。
今からされるであろうことが容易に想像できてとてつもない嫌悪感が押し寄せた。
『やめてっ……！』
「あ、ちょっと先生暴れないでください。誤って傷つけたくないです」
よく分からない優しさを見せる彼女に苛立ちを覚えながら、私は体をまさぐってくる彼女を必死に押しのけていた。
彼女は一体どこで間違えてしまったんだろう。
なにが彼女を…
『(ああ私か、)』
ふっ、と腕から力が抜けた。
私の存在が彼女をこんな風にしてしまったんだ。
そう思うと抵抗なんて出来なかった。
「先生、やっと私を受け、」
『……めん…』
「……ぇ、」
『ごめん…ごめんね……笹塚さん…』
私はただ謝ることしか出来なかった。
笹塚さんがどんな顔をしているのか、涙でぼやけた私の視界にはよく分からない。
ただ、悲しい顔をしている事は確かだと思う。
「なんで謝るんですか、」
『私のせいだからだよ…』
「私が欲しいのは謝罪の言葉じゃありません…っ！貴女のからの愛が、欲しいんです…！！」
カランッ、とおそらくカッターが床に放り出された音がする。
そのすぐ後に、私の頬をまた彼女の冷たい手が覆った。
「ね、せんせ、お願いです、ひとこと、たった一言でいいから、私を愛してると言ってください…！」
『……言えない、』
「どうして…っ、」
『笹塚さんの気持ちには答えられない…』
「そんな、」
その時、なにか言おうとした彼女を遮って、教室の扉が轟音を立てて破られた。
「A！！！」
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きし(プロフ) - ゆきふくさん» コメントありがとうございます！これから完結に向かっていきますので、楽しみにしていただけると嬉しいです！！ (2020年11月8日 17時) (
レス) id: 8439352eb0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきふく - 以前から読ませていただいていました！夢主さんがどうなるのか、これから楽しみです！そして御幸がカッコいいです！笑 (2020年8月17日 21時) (レス) id: c4659953c6 (このIDを非表示/違反報告)
きし(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！亀更新ですが引き続き楽しみにしていただけると嬉しいです…！！ (2018年1月24日 23時) (レス) id: 94c737648e (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 次の展開が気になりますね！2人の関係がどうなるのか楽しみにしています☆ (2018年1月24日 23時) (レス) id: 590107ddb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=ddc3c3fa1c794ae02c8618bfa4b71699...
作成日時：2017年10月23日 23時
