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『御幸…先生とは、何もないから！勘違いしないでね？』
空き教室に入るなり、私は笹塚さんにそう言った。
彼女はじっと私を見ている。
「本当に何もありませんか？」
『ほ、本当に！』
「ふふ、わかりました。先生を信じます」
そう言って、彼女は淑やかに笑った。
『そういえば昨日はなんであんな時間に残ってたの？とっくに下校時間過ぎてたのに』
「昨日は、みんなが帰った後スコア整理をしてて。夢中になってたらあんな時間になっちゃってました…」
ごめんなさい、と申し訳なさそうに謝る笹塚さん。
私はそんな彼女の頭を撫でながら、大丈夫だよ、と返す。
『でも、これからは気をつけてね？笹塚さん女の子なんだし、夜道を歩くのは危険でしょ』
「………」
『笹塚さん？』
俯いたまま顔を上げない彼女に違和感を感じてもう一度名前を呼ぶ。
「先生は本当に優しいですね」
『そう？教師が生徒を心配するのは当たり前でしょ？』
「…そうですね。先生のそんなところ、私本当に大好きです」
『…？ありがとう、』
「先生は？私のこと、好きですか…？」
少し食い気味にそう質問してきた彼女は不安そうな顔だけれどその目は恍惚とした色をしていた。
『笹塚さ、』
「私、軽い気持ちで好きなんて言ってませんよ？本気です」
『え…？』
「きっと先生は優しいから、私の事好きって言ってくださる。でもそれは生徒として、ですよね」
『笹塚さん何言ってるの、』
「私の言う好きは恋愛的な意味です。愛してるんです、先生。貴女の為なら私はなんだって出来る…だから、」
窓側にいた笹塚さんは私の隣をするりと通り抜けると素早く教室の鍵を閉めた。
次々と降りかかる彼女の言葉が理解出来ず、動けない私を見て笹塚さんはどこか嬉しそうだ。
ゆっくり私の目の前まで来ると白い手が私の顔を包んだ。
「だから先生、死 んでください」
その手には鈍く光るカッターが握られていた。
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きし(プロフ) - ゆきふくさん» コメントありがとうございます！これから完結に向かっていきますので、楽しみにしていただけると嬉しいです！！ (2020年11月8日 17時) (
レス) id: 8439352eb0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきふく - 以前から読ませていただいていました！夢主さんがどうなるのか、これから楽しみです！そして御幸がカッコいいです！笑 (2020年8月17日 21時) (レス) id: c4659953c6 (このIDを非表示/違反報告)
きし(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！亀更新ですが引き続き楽しみにしていただけると嬉しいです…！！ (2018年1月24日 23時) (レス) id: 94c737648e (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 次の展開が気になりますね！2人の関係がどうなるのか楽しみにしています☆ (2018年1月24日 23時) (レス) id: 590107ddb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=ddc3c3fa1c794ae02c8618bfa4b71699...
作成日時：2017年10月23日 23時
