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御幸
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保健室で伊藤の頭を撫でている雪ちゃんを見た時、自分でもびっくりするくらいの嫌な感情が込み上げた。
しかも、当の本人に聞いてみれば『なんでダメなの？』と首を傾げるし。
本当、変なところ鈍感すぎて困る。
薄暗い職員室の中で俺の膝の上にいる彼女は、暗闇でもわかる程顔を赤くしている。
真っ赤になった頬に手を添えて、親指でなぞるとぴくっと肩を揺らした。
「…かわいい、雪ちゃん」
『は…！？訳わかんない…っ、怒ってたんじゃないの…！？』
「雪ちゃんが可愛いからどうでも良くなった」
『なに意味不明なこと…！！』
またぶわっと顔を赤らめた彼女は、弱い力で必死に離れようと俺を押す。
そんなところも可愛くて仕方ない。
どうやら俺は大分雪ちゃんに惚れ込んでしまっているらしい。
彼女の首元に顔を寄せて、首筋にちゅっとキスを落とす。
『ひゃっ…！バカ！なにしてんの…っ！変態！メガネ！！』
「はいはい、なんとでもどうぞー。てか、メガネってもはや暴言じゃないし」
俺の胸に置いていた手でぽかすかとこれまた弱い力で叩く雪ちゃん。
俺は構わずキスを続ける。
あーもー、この間みたいに痕つけちゃおうかな。
雪ちゃん肌白いし目立つんだろうなぁ。
ぐらっと揺らぐ理性の中、そんなことを考えてしまう。
『みゆき…、』
「んー？」
『私、ちゃんと、御幸とのこと考える、から…』
「え…？」
思いがけない言葉に、俺は雪ちゃんを見上げた。
薄暗い職員室の中でパソコンのディスプレイの光に照らされた雪ちゃんの顔は真剣だった。
「マジ…？」
『まじ』
「………」
『ぅわ！！』
彼女を膝から下ろして立たせると、俺も椅子から立ち上がって正面からぎゅっと抱きしめた。
「ありがとう、すげぇ嬉しい」
『考えるって言っただけで、まだ付き合うって言った訳じゃないんだからね』
「わかってるよ」
そう返事をしながらも、俺の腕の中でごにょごにょしている彼女がたまらなく愛おしくて抱きしめる力を強めた。
すると、突然職員室の扉がガラッと開いた。
「深雪せんせ、」
「あ、」
『さっ、笹塚さん！？』
おそらく部室の鍵を返しにきたのであろう男バスマネの笹塚が入り口で立ち尽くしていた。
雪ちゃんは慌てて俺から離れると走って笹塚の元に駆け寄ると、彼女の背中を押して外へ出ようと促す。
「…………」
「…？」
職員室を出て行く笹塚が一瞬、俺を睨んでいるように見えた。
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きし(プロフ) - ゆきふくさん» コメントありがとうございます！これから完結に向かっていきますので、楽しみにしていただけると嬉しいです！！ (2020年11月8日 17時) (
レス) id: 8439352eb0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきふく - 以前から読ませていただいていました！夢主さんがどうなるのか、これから楽しみです！そして御幸がカッコいいです！笑 (2020年8月17日 21時) (レス) id: c4659953c6 (このIDを非表示/違反報告)
きし(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！亀更新ですが引き続き楽しみにしていただけると嬉しいです…！！ (2018年1月24日 23時) (レス) id: 94c737648e (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 次の展開が気になりますね！2人の関係がどうなるのか楽しみにしています☆ (2018年1月24日 23時) (レス) id: 590107ddb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きし | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=ddc3c3fa1c794ae02c8618bfa4b71699...
作成日時：2017年10月23日 23時
