第83話 ページ42
Aside
ザク、ザクと落ち葉を踏みながら歩く。
足音の代わりのその音を2人分聞き、私と赤羽は昨日の場所へと向かっていた。
「やっと着いた、…座ろうか」
「うん」
昨日と同じ、倒れた木のベンチに腰をかける。
私が座ると、赤羽は少し距離を置いて座った。
「…あ、赤羽」
「何、金子さん」
「昨日の話、返事をしていなかったから」
「…あぁ」
空気が重い。
戦う時とはまた別なプレッシャーで、押し潰されそう。
嗚呼、もっとゆっくり時間が流れれば…
「金子さんさ、無理して返事しなくていいんだよ?」
「へ?」
「わざわざ俺の事気遣わないで、そのまま率直に言ってくれていいから」
「…うん。わかった」
優しいんだな、赤羽は。
こう話すと、改めて感じる。
優しい。暖かい。
ありがとうね、赤羽。
ごめんね。
「赤羽、私ね」
「うん」
「私、赤羽とは付き合えないよ。身分も違うし、無理がある。
私と深く関わっちゃうとね、貴方まで裏社会の人間になってしまう。私、優秀な学生の貴方を引き込む気は無い」
「…そう」
「それにね、赤羽」
「?何」
「…私、気になる人がいるの」
赤羽の、驚いた顔。
目を大きく見開いて、口も少し開いている。
ちょっと年相応で可愛いな。
「それは、ポートマフィアの人?」
「うん、そう。私の直属の上司でね…私の異能が暴発した時に来てくれた人だよ。ほら、帽子をかぶった…」
「…ああ、あの人」
中也さん。私の気になる人。
いや、もう好きかもしれない。
赤羽には悪いけど、私だって恋をするんだ。
「…だから、ごめんね赤羽。私は貴方に応えられない」
「うん…仕方ないよ。金子さんにも金子さんの恋愛があるし」
「うん、ごめん…ありがとう」
貴方は聞き分けがいい。
頭がいいからか、人付き合いも上手だ。
嗚呼、本当に、ありがとう。
「戻ろっか」
「…うん」
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いわいざけ(プロフ) - キャラメルソーダさん» いえいえ、ご丁寧にありがとうございます!コメントして頂けるだけでも嬉しいです^^* これからも頑張って更新を続けますので、気長に待っていてくださいね! (2018年4月6日 20時) (レス) id: a3a57f67d2 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - ごめんなさい!エラーおきてしまって同じことを2回押してしまいました。本当に申し訳ございません。 (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - この作品初めて見ましたけどとても面白いですね!!更新されるのを待っています!頑張ってください (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - この作品初めて見ましたけどとても面白いですね!!更新されるのを待っています!頑張ってください (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
千羅 - 中也さん落ちがいいです!更新頑張って下さい! (2018年4月2日 11時) (レス) id: 7af68d4a6a (このIDを非表示/違反報告)
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