第59話「麗しのリサリサ先生」 ページ9
日が昇り､私達はある場所を目指した｡
「おい､そこの君｡ゴンドラを頼む｡エア・サプレーナ島まで行きたい」
シーザーが､ゴンドラに乗る人物に話しかける｡
しかし､その人物は答えない｡
「船頭…聞いているのか?」
その人物は唐突に振り返るとオールを海面に投げ､そこの上に立った｡
仮面を付けているので表情が見えない｡
驚いていると､いきなりその人物がオールを蹴り上げジョセフの顔面にぶち当てた｡
ジョセフはその勢いで海へ｡しかし､波紋を使い､なんとか海面に立った｡
「波紋で水を弾き､水面に立つことぐらいは出来るのか」
その人物が仮面と帽子を取る｡
仮面の下からは美しい顔が現れた｡
その顔は間違いなく波紋教師､リサリサである｡
「女ッ!?」
「はァ…なんて…お美しい」
「せっ先生!!」
流石はジョセフ・ジョースターの母｡
その美しさに思わずうっとりとする｡
「てめぇ…いきなりオールで痛めつけられては許せねぇーぜ!こんな場合､俺は女だろうが､容赦はしねぇ!」
「貴方の才能が素晴らしいという事は､試してみて分かったわ｡訓練されていないで､よく水面をそれだけ動けると感心します……しかし!一月で一人前の実力になるには死の覚悟が必要なり!」
リサリサは水柱とオールを使い､飛び上がるとジョセフの顔にマスクを着けた｡
「なっ!何だァー!」
「ジョセフ・ジョースター｡貴方は一ヶ月間その呼吸法矯正マスクをを着けて生活しなくてはならない」
ジョセフが外そうと藻掻く｡
「呼吸のリズムが乱れなければ､何の支障もなく呼吸は出来ます｡しかし､一旦､リズムが狂えば息が出来なくなり､酸欠の断末魔の苦しみになる仕掛けになっています｡貴方は100�卅�っても､そのマスクが平気にならなくてはならない!」
「てってめぇー!さっさとマスクを外しやが…ッ!いっ息がァ!!」
ジョセフが海面に沈む｡
「修行は既に始まっているのです食事の時と歯を磨く時だけ外してあげましょう」
「ジョジョ｡リズムを整えろそしたら風邪のマスクみたいになんてことはない」
ジョセフがなんとか上がってくる｡
それに私が手を貸す｡
「ジョジョ､大丈夫?」
「それとあと一つ言っておく事があります｡私は､貴方とそこの子の命を助ける為に波紋法を教えるのではない｡奴らを倒す戦士をつくるために教える､という事」
「お前､まだ先生とやり合うのか?」
「ケッ!俺は女は殴らねぇ!」
私とシーザーが思わず､がくりとする｡
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作者名：夢書き | 作成日時：2018年8月18日 8時
