第56話「実は若干震えてる」 ページ6
「俺はあえてお前の口車にのってやるぞ…｡いいぞ､一ヶ月で強くなるというのなら､一ヶ月だけ命をくれてやろうではないか!」
「俺を殺さねーの」
「そうだ」
「俺と再試合?」
「そうだ」
シーザーがホッとして息を吐く｡
「止めとけよ､今殺さないと後悔するぜ!」
「ただし」
シーザーも私も身構えた｡
「お前が逃げたままでおれんように儀式を施す」
私は心の中で､「ですよねー!そのままにしとくわけないですよねー!でもそのままにしといてよー!」と叫んだ｡
「ははァ…ワムウ…いつものやつを､やるというわけか」
「名付けて､死のウエディングリング｡今からコレを心臓の動脈に引っ掛けておく」
シーザーに手で目と口を塞がれた｡
確かに感謝だ｡こうでもされないと多分声をあげていた｡
でもごめんねシーザーちゃん｡
私､見つかってもいい系でここに居るから｡
勿論､貴方を危険にさらす気はないけどね｡
そう､危険にさらされるのは私｡
「ぐあああああッ!」
「このリングの外殻は三十三日後に溶け始めるリングのの中には毒薬が入っている｡手術で取り出す事は出来ない!無理に取り出そうとすれば殻はあっという間に破れ､毒は流れ出す｡毒が体内に回らない内に助かる方法はただ一つ｡三十三日以内に俺と戦って勝ち俺のこのピアスの中にある解毒剤を飲む事のみ!」
ワムウが自分の唇につけているピアスを指さす｡
「ジョジョッ!」
流石にシーザーも声をあげてしまった｡
「まさに､二人が死を分かつまでのウエディングリングよ｡三十三日後の真夜中､このローマのコロッセオで待っているぞ､ジョジョ」
「ふっはっは…このまま逃げ出すつもりでいたのだろうが当てが外れたなぁ､俺との戦いはないだろうがこのエシディシからも」
エシディシがジョセフに指輪を入れようとした瞬間｡
「一寸､待ったああああッ!」
その場の全員が驚いて私を見る｡
私は物陰から飛び出しジョセフの傍まで駆け寄る｡
「あっジョジョは大人しく寝てて､どうせ出血多量で動けないんだから｡てか動いちゃ駄目だからね」
シーザーが物陰で頭を抱えてるのとか知らない｡
そんなの知らないもんね｡
「何だ貴様は…ん?あぁ､そういえば先程､あの場に居た小娘か…」
「覚えてもらってて光栄です」
「貴様何をしに来た?その男､ジョジョに助けられた命を無駄にしたいのか?」
ワムウが相変わらず穏やかな口調で問いかけてくる｡
「命を無駄に?真逆ァ!私はそんなつもりはないし､そんなの嫌だ」
「ならば何故来た」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢書き | 作成日時：2018年8月18日 8時
