第99話「驚くのはわかるけど」 ページ49
「この写真を見たという事は､貴方に､そしてユメにも話さなくてはならないようね…戦いの前に話そうと思っていたの」
「アンタ…何者だ」
ジョセフの問いにリサリサは少しだけ自分の生い立ちを語り出した｡
彼女は自分が50年前､エリナが救った赤ん坊が自分である事､アノ写真に写っているのは自分だという事を話す｡
「ちょっちょっと待てよ!50年前だぜ!…50年前に赤ん坊ってことはァ…おめぇ一体!歳いくつなんだァ!?」
「50年前って事は…まぁそゆこと…かなぁ…てか､ジョジョ!女性に不躾に歳を聞くんじゃあありません!」
リサリサの横で私がむくれる｡
「ごッ50歳!?…おっおっおっおっおめぇ…50歳といやぁ､つまりィ…ﾊﾞｯ!ババア!…だよぉー普通」
「おいぃ…ジョｫジョｫ…」
私がアワアワとするのもお構いなしに､ジョセフがマジマジとリサリサを見つつ続ける｡
「こりゃあどう見ても二十代後半…波紋は生命のエネルギー､若々しさを保つというが…でも!どーりで!態度や物腰はぜーんぜん､きゃわいくないと思ったけど…あっサングラスの隙間に小皺みーっけ」
リサリサと私に同時に睨まれたジョセフが少し慌てる｡
「とか…言ったりして」
「よォし!闘技場の用意をしろ!火を放て!」
カーズの声と共に､闘技場の中心部に火が放たれた｡
「ゆっくり話してもいられないようだけど､しかし話さなくてはならない｡私のルーツは貴方にもそしてユメにも関係があるのだから…」
「ルーツ?」
なんで私も含まれるのかと思っていたが答えは簡単だった｡
「石仮面の為に両親を失い｡エリナさんに命を救われた赤ん坊の私は､エリナさんが身篭っていたため､ストレイツォに育てられました」
「なっ!何だって…!?」
「あっ…」
そうだった｡彼女を育てたのは､あのストレイツォ｡
「波紋を身に付けたのも､赤石を受け継いだのもストレイツォから」
「つ､つまりストレイツォはアンタの育ての親だって事か!?」
「ストレイツォが老いを気にしてあの様な狂気に走ったのは残念でなりません｡ジョジョ…貴方があの人を倒したというのは複雑な気持ちはしますけど…仕方のない運命だったのでしょう…そしてユメが一緒にそれを見届けたのも」
リサリサが入れ物をジョセフに渡す｡ジョセフはそれを大事そうに抱きしめた｡
本当に奇妙な人間関係だと私も思う｡
地響きが始まった｡
「二人とも､話は終わりのようよ」
「何だ､この地響きは…!?」
「なんかアッチから来るみたい…」
第100話「つぶらな瞳は可愛いよ」→←第98話「流石リサリサかっこいい」
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作者名：夢書き | 作成日時：2018年8月18日 8時
