第95話「お仕置きされるのはお嫌い?」 ページ45
「ジョジョ!」
「ジョジョ!大丈夫?」
リサリサと共にジョセフに駆け寄り､私がジョセフを引き起こす｡
男はベックと名乗って自分が逃走中に石仮面で吸血鬼にされた脱獄囚だと言った｡
「忠誠を感じてるズラ…おめーら如きをこの奥でお休みになられている最中のカーズ様達の元へは絶対に行かせないズラ」
「奴らァ遂に人間界にてめぇらの食料を広げ始めたのかぁ」
「てことは…他にも吸血鬼が居る感じだね」
ジョセフの言葉にこの奥に居るであろう吸血鬼達を想像する｡
「やれやれだぜ…てめぇはキチッと死んで地獄へ行くべきクズ!…どれ…この俺が地獄の穴へ背中を押してやるぜえ」
「まぁまぁジョジョ…ある意味戦いたくないけど…ココは私が」
私とジョセフが構えた時リサリサが流れる様な動きで私達の前へ立った｡
それを見たベックが下卑た笑みを浮かべる｡
「うーん美人だズラ…後ろの小娘もまぶい感じだけどまだ色気が足りないズラ｡まだまだお子様の身体ズラね…でもコッチは十分｡…まぶいズラァ…綺麗な肌してるズラァ」
鞭を握る手に力が入る｡
私の足元の床が少し凍り出していた｡
隣のジョセフが「ユメ…お…落ち着けよ」と上擦った声を出すが､私には何のことだか｡
私は落ち着いてる｡
「抱き締めて…その白い肌から血を吸ってやるズラ!」
「私は今機嫌が悪い､お前の様な下品者とは口も聞きたくないし､顔も見たくない｡でも抱き締めるというのなら…試してみなさい」
リサリサがサングラスを掛けた｡
「後悔しながら､死んでもいいならね」
その言葉を聞いた､ベックは全身から針の様なものを出した｡
「俺は女が俺に対して冗談を言うのは好まねえズラ…そういう場合は…お仕置きだズラ」
一方､リサリサは静かに自分のマフラーへと手を伸ばす｡
「ギューッと抱き締める!抱き締めるお仕置きズラ!」
ベックが素早く飛び上がり､リサリサへと迫る｡
リサリサは滑らかな動きでマフラーを､ベックの首にゆったりと巻き付けた｡
「え?何このマフラー」
拍子抜けしたベックが攻撃を止め､下に着地する｡
ベックが首に巻き付けられたマフラーを破った｡
リサリサはベックからマフラーを剥ぎ取り､ベックを無視して進む｡
「さあ､ジョジョ｡ユメ｡奥へ行くわよ」
「お…おう」
「はぁーい」
私達はリサリサの後を続けて歩く｡
「ゴラァ!無視すんなズラ!…ん?おい､お前!ああいう女はやっぱ徹底的にお仕置きしかないと思うだろう?」
ベックがジョセフに話し掛ける｡
第96話「むさ苦しい光景」→←第94話「蜘蛛には会いたくないな」
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作者名：夢書き | 作成日時：2018年8月18日 8時
