第85話「ドイツの科学は世界一」 ページ35
「おい､カーズ!どこを見ている!お前の相手はこのシュトロハイムが最後だ!」
「機械など相手になるかぁ!」
カーズが次の手に出ようとするのを､すかさずシュトロハイムが､もう片方の腕でカーズの手を摘んで止める｡
「なっ!もう一つの腕が曲がったぞ!ありえない方向に!左腕も義手なのかぁ!?」
「左腕もっていうか…たぶん､その他も」
「そしてぇぇぇッ!!」
シュトロハイムがカーズの手の一部を摘んだまま引きちぎった｡
カーズが上へと飛び退く｡
「馬鹿ものがあーッ!!ドイツの科学は世界一ィィーッ!!サンタナのパワーを基準にィィィ!このシュトロハイムの腕の力は､作られておるのだあああッ!」
私とジョセフは小声で同時に「ドイツの科学すげぇ」と呟いた｡
シュトロハイムがテーブルに置いてあったボールを手に取る｡
「したがって!カーズ!お前をこの位の肉片にまで細切れにすれば､生命活動を不能に出来るかも計算されておる｡貴様の身体を鳥の羽を毟るように!1cm四方の肉片にしてくれるわ!」
シュトロハイムは言い終わると同時にボールを砕いた｡
そしてソレをジョセフに投げ付ける｡
「おい､ジョジョ!ユメ!」
「あいてッ!」
「危なっ!」
ジョセフはソレを左手で受けた｡
「こんな身体になった俺を気の毒だなんて思うなよ｡俺の身体はああああ!我がゲルマン民族の人智の結晶であり!誇りであるぅ!つまり!全ての人間を越えたのだああッ!」
シュトロハイムが機関銃用のような連弾を身につける｡
「喰らえ!カーズ!一分間に600発の徹甲弾を発射可能!30mmの鉄板を貫通できる､重機関砲だ!一発､一発の弾丸が!お前の身体を削り取るのだあッ!」
「胴体も機械なのかぁッ!」
「やっぱり…てか全身機械…なのかな」
気付いた時には､シュトロハイムの胴体から重機関砲が出ていた｡
カーズがシュトロハイムから繰り出される無数の弾の勢いにより､窓の外へと硝子を割りながら押し出される｡
外に出されたカーズは弾幕の中にあったが､その腕の刃が光り輝き始めた｡
「我が流法は光!」
突然､カーズが素早い動きで､自分に向かってくる全ての弾を切断し始めた｡
「ば､馬鹿な!?奴の腕から突き出ている剣は骨か皮膚を硬質化したもの!弾丸を弾くならともかく!高速回転する甲弾を切断するなど不可能なはずぅ!」
なおもカーズの刃は光り続けている｡
そして遂にその刃でシュトロハイムに襲い掛かり､すれ違ったと思う様な一瞬でシュトロハイムの身体を上半身と下半身に切り分けた｡
第86話「サンタナが番犬て」→←第84話「やべぇ奴にロックオンされた」
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作者名：夢書き | 作成日時：2018年8月18日 8時
