第71話「私の必殺技」 ページ21
「女性の体を冷やすって､あんまりやりたくないんですけどねえ…」
周りがキラキラと輝き出す｡
美しい夕焼けも相まって幻想的な光景にも思える｡
私はさらに鞭を振って､今度は海水をリサリサの方へ巻き上げた｡
「真逆…こんな事が出来るだなんてね」
リサリサの腕を拘束する様に海水､いや氷が巻き付いている｡
そして彼女の足元､もとい靴は凍りつき､完全に橋に張り付いていた｡
「よっと」
私は一旦､橋から降り､海上を歩いてリサリサの居る場所に近付き､手を伸ばして彼女の手に触れた｡
「おめでとう､ユメ｡合格です」
「有難うございます!…すみません､すぐに溶かしますね!」
ペコペコしながら､氷を溶かしてリサリサを解放する｡
「にしても､貴女には本当に驚かされますね｡あんな技いつ思いついたのです?」
「えへへ…なんていうか結構前からですかねぇ…シーザーのシャボンランチャーとかジョジョのクラッカーヴォレイとか見てたら…私も必殺技ないとこれから厳しいかなぁーと…」
実はコレ｡あのジョナサンとディオの例の技を掛け合わせて編み出したものなのだ｡
「ちなみに「
「おーッ!やったじゃねーのユメ!」
「おめでとう､ユメ」
「うん!やったよ!ありがとう!二人共応援してるね!」
ジョセフとシーザーに合格したことを報告すると自分の事の様に喜んでくれた｡
ちなみにスージーにも報告したのだが､予想以上の喜びを見せてくれ抱き締められた｡
「そいうやぁ､おめえマスクは外してもらわねぇの」
「ん?マスク?いいの､いいの｡二人が試練が終わったら外してもらうから」
リサリサにも同じ事を言ってある｡
「嗚呼､ドキドキするぅ」
私は夜明け前の外の暗い景色を眺めながら､手を組み合わせる｡
「ユメったらぁ､貴女がドキドキしてもしょうがないじゃないのぉ」
「スージーの言う通りです｡一緒に紅茶でも飲んで落ち着きなさい」
それもそうか､と思い｡椅子に座ろうとしたその時､私はある事を思い出した｡
「すみません!リサリサ先生!スージー!紅茶はまた後で!それから､先生!絶ッ対にエイジャの赤石から目を離さないでください!スージーは何か変なのが居ると思ったら迷わず先生に相談して!てかなるべく先生から離れないで!」
私はそれだけ言い残すと勢いよくその場から駆け出した｡
第72話「生で見ると益々不気味」→←第70話「波紋戦士の鬼ごっこ」
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作者名：夢書き | 作成日時：2018年8月18日 8時
