第51話「風圧いくらぐらいだろ」 ページ1
「てめぇらァーッ!コッチを振り向けぇいッ!!」
シーザーが柱の男達に近づき､シャボンランチャーを放った｡
ワムウの指にシャボン玉の一つが当たり､指を溶かす｡
「貴様はシャボンに囲まれた!続く連弾を喰らえッ!」
ワムウに向かって無数のシャボン玉が飛んでいく｡
するとワムウが頭部に付けているワイヤーを頭を少し動かし振り回した｡
無数のシャボン玉が一瞬にして割れて消えていく｡
「今のは…あのワイヤーが直接触れて割ったのではない…ワイヤーの起こす風圧がシャボンを蹴散らしたのだ!」
「つまり､あのワイヤーは､対波紋の為の道具!知っているのだ!コイツらと波紋は二千年前に出会っている!」
スピードワゴンが確信の言葉をを口にする｡
「なっ何だ…?コイツらの周りの大気が!」
柱の男達の周りにある大気が揺れたと思ったその時､シーザーの唇が切れ､血が出た｡
それを皮切りに両頬も刃物で切ったかのように切れる｡
「いかん!目を閉じろぉ!さっきのはただの風圧ではない!小型の真空竜巻の余波だぁ!」
しかし､スピードワゴンの助言は間に合わず､目のあたりも切れたらしい｡シーザー両手で顔を覆ってしゃがみこむ｡
「なん…のぉッ!友人が殺されたのだ目の一つくらいでへこたれるかぁッ!」
だが､それを聞いた柱の男達からは嘲笑が返ってきた｡
「きッ貴様等ァ!何がおかしいッ!?」
シーザーにワムウが答える｡
「フッフッフッ…波紋の一族は何時も同じ台詞を吐く｡我々が初めて西の大陸から海を越えて来た二千年前も､今も､腕の一本や目が見えぬぐらいでへこたれるか｡よくも友の命を奪ってくれたな､と｡だから笑ったのだ」
「貴様等ァッ!!」
「行くぞ…エイジャの赤石を求めに」
怒るシーザーをよそに､柱の男達は再び背を向け歩き出す｡
シーザーがワムウに飛びかかった｡
しかし､ワムウはいとも容易くシーザーの首元に指二本を突き立て､ぶら下げた｡
「貴様らの弱点は喉か肺だ｡呼吸出来なくさせれば波紋が使えぬのを知っている｡そして俺は昔も今もこう言うのだ｡小僧､今度会う時はもっと強くなってから､このワムウに向かって来いと｡二度目にお前に会う時､このワムウがお前の強さを尊敬してお前を打ち砕き､殺す為にな…」
そこまで言うと､ワムウはそのまま片手でシーザーを近くの大理石の柱に投げた｡
気絶しなかったものの､シーザーの呼吸は完全に乱れていた｡
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作者名：夢書き | 作成日時：2018年8月18日 8時
