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第8話「器」 ページ8

ディオの妹。
世界が巡る。消し飛ぶ。
何の話だ。
まず色々と情報が一気に与えられて混乱の極みだ。
感情が迷子だ。
「兎に角だ…。君は彼女から「本の頁」を取り返してくれ。トリップの等価交換だと思えばいい」
「うう…」
それを言われたら引き受けるしかない。
だって色々アフターサービスはしてくれたわけだし。
まァ一度ぽっくり逝っちゃったけど。
「本の頁は、赤い色をしている。そして通称は「悪徳の果実(バッド・アップル)」」

「取り返すと言っても、方法は任せるよ。その後もね」
「その後…?」
「処分さ。破ろうが、焼こうが、保管しようが君の自由だよ」
「……」
私は口元に手をやり、少し唸ってから。
「うん…請けるよ。その依頼。私の願望叶えてもらったわけだし」
いいよ、等価交換だ。請け負おう_私は白猫を見据えた。
「でも、コレは教えてくれないかな」
「何をだい?」
「死んだのに生きてるって事は、私と「同じ」…そういうことなのかなってね」
私はこの世界に来てから死に。そしてこの世界で転生した。

「いや、それは違う」
「?」
「…言い難いんだけどなぁ」
「別に今更何を言われようとそんなに気にしないけど」
私はひらひらと片手を振った。
もうどうにでもなれ方針だ。
「……じゃあ言うけど」

「君になったんだよ」
「はい?」
何を言っているのかよく分からないんだけど、コレは私が馬鹿だからじゃないですよね奥さん。
「彼女は死んだ。そして暫くの間は所謂浮遊霊ってのをやってたんだ」
それなら私も経験がある。
でも体感時間がかなりとち狂ってたので、そんなに長い時間彷徨ってた気はしない。
「それで、都合のいい器を見つけちゃったわけ」
「器?」
「体ね。肉体。しかも2つ」
白猫が地面をてしてしと叩いた。
「1つは猫だよ。黒猫。最初の器ね。これを使って色々とやってた。まァこの時には既にスタンド使いになってたから。…ああ、君も見てるはずだよ、何せ君達の周りをよくうろちょろしてた筈だから」
言われてみれば、ちょくちょく黒猫を見掛けてた様な。
「そんで2つ目の器。コレはジョナサン・ジョースターが死んだ時に手に入れてる」
「ジョジョが…死んだ時に…」
「君の監視を頼んでたうちの子が気付いた時には手遅れでね。奪われてた」
「奪われる…?」
何だろう、背筋に冷たい汗が流れる。
「なんだか…あれな話だけど。似てるよね、ジョナサンとディオのことに…」

「君の肉体を奪って…彼女は生きていたんだ」

第9話「引き渡し」→←第7話「軋む歯車」



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作者名:夢書き | 作成日時:2019年1月4日 10時

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