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第49話「変化とは常に起こるものである」 ページ49

「まぁ…悪さといえば悪さ…かな」
階上の彼が微かに笑った。

階下から、ゆっくりと。
だが確実に近付いてくる足音。
それが私達を焦らせる。
「ところで、後で話に付き合うっていうんじゃあ駄目かな?」
「それは信頼出来るのであればそうするが…私と君達の間には信頼等まだないだろう」
あくまで退かない。
というか彼はこの状況を面白がっている。
私達が下の奴に会いたくないのを分かっていてやっている。絶対にそうだ。

こいつ、楽しんでやがる。
「退かないつもり?」
「ああ、私には退く必要がないからな」
こうなったら私達に攻撃しないという確定要素だけでも確認しておきたい。
と考えていた時だった。
「でしたら僕達の邪魔をしない。…そういうのはどうです?」
「邪魔…というと?」
「僕達に何かしらの「危害」を加えるという事ですよ。…貴方がそこを退きたくないというのならそれで構いません。ですが、僕達が何をしようと貴方は僕達に「危害」は加えない。…勿論僕達もその代わりに貴方の話に付き合いますし、危害を加えられない限りは攻撃はしません」
ジョルノは淡々と説明をした。
大丈夫だろうか。
ジョルノはそれなりのショックは受けているものだと私は思っていたのだが。

私が口を開こうとしたその時__。
「!!」
「!!」
「!!」
違和感。
それはハッキリとした違和感だった。

ズレた。
何を言っているのか分からないと思うが、今。
今、正に「ズレた」。
目前の脅威など忘れて思わず自分の手を見遣る。

私の手だ。
私の視点だ。
それは間違いない。
なのに。
私の筈なのに。

肉体が__。

肉体の感覚が。
「何だ…この感覚は…」
上から先程より剣を帯びた声が聞こえた。
そして後ろからは__。

「…これは…一体」
私は最早、目前の脅威など無意識に完全無視を決め込み振り返った。
戦いにおいてとんだ間抜けな行為なのは百も承知だ。
だが確認せずにはいられなかった。

聞こえたのは彼の声だ。
彼の声だったのだ。
彼の声なのだが。
「ッ!?ジョルノ!その…その姿は!!」
美しい金は夜の黒へと変わり。
青年としての段階を踏んでいたはずの肉体は。
「僕は…いや、もしかして僕達は既に攻撃を受けたという事ですよ…でないと説明がつかない」
「…マンマミーア」
おいおいおい。
今、この世界に居るスタンド使いの面子はどうなってやがるんだ?
おばあちゃんのSAN値はマジで限界なんですが?

私は素早くジョルノを抱き抱えた。
__何故か少年と化したジョルノを。

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作者名:夢書き | 作成日時:2019年1月4日 10時

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