第42話「乱れて踊ろう皆でね」 ページ42
覚悟はいいか!?俺は出来てるッ!!
弾幕用ォ意ィッ!!
頭の中で某顔文字の羅列が、某曲と共に忙しなく流れ始めた。
乙女ゲーかとツッコミたくなるぐらいには顔の良い面子と可愛い幼女。そしてモテモテな私(笑)。
然し乍ら、これはどちらかといえばバトル系ホラゲーだと思った。
「いい加減諦めたらどうですッ!?」
「喧しいッ!!私はまだ死ぬ気はないんだよ!」
「邪魔なんだよッ!てめぇッ!!」
「その程度の毒がこの俺に通用するものか!!」
「踊って!踊って!楽しい楽しい歪な舞踏会はまだまだこれからよ!」
刃の光、波紋の光、毒の装飾、乱れ狂う人形達。
中々如何して、こいつらは息の合った戦いをする。
別に私とカーズが極端に協力して戦っていない訳では無いのだが。
カーズがスタンドが見えないのをいい事に色々と面倒な方法で追い込んで来るのだ。
何回、互いに触れる寸前迄行っただろうか。
私の服の袖をアズライルのメスが切り裂き、私がアズライルの眼前に手を伸ばした時。
私は砂地に蹴りを入れて、大きく飛び上がった。
宙で大きく一回転し、大きな岩に着地する。
「残念でしたね。今なら苦しみのない救済を与えられたのに」
アズライルの目は私を捉えているが、私に話し掛けているのではない。彼が話し掛けているのは砂の中から伸びた生白い腕。その腕の先にある手にはナイフが握られていた。
「何でも切れちゃうんだっけか…いや、ホント…凄いね」
ずるり、黒い修道服の女がまるで観客を驚愕させる登場をする奇術師の様に現れた。
「うふふ、そうよ。本当に切れちゃうの。…なんでもね…」
冷たい光に照らされたその顔は、「私」だった。
「ところでうちの子達何処にやってくれちゃったのかな…
」
「あら、私の姿に驚かないの?」
「それよりもあの子達の方が私には重要なの」
自分の体より他人の心配だなんてお人好しね、とデアがころころ笑う。
「…貴女のせいで、本来起こらなかった事が起きた。それはわかってるわよね?…そして本当ならそこまで繋がりの深くなかった新生パッショーネとSPW財団が密接な関係になってしまった。…つまり私達の計画に邪魔な可能性も跳ね上がったって事」
本当に厄介、と言ってデアが笑う。
「幾らディオの子供だからって見逃してはおけな…」
キンとした高音がばらばらと響いた。
「貴様を殺す」
「あらあら、凄いわ、凄いのね。まだ生きてるだなんて!」
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢書き | 作成日時:2019年1月4日 10時