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第5話「ミート・ウィズ・ファーザー」 ページ5

「ッ!?どう…なって、やが…る」
タルウィが地面へ膝をついた。
「そっくりそのままお返し致しますよ」
私はにっこり笑って立ち上がる。
いつの間にか白猫が私の傍に来ていた。
逃げる必要はないとかほざいといて逃げてただろ。
「貴方の話を信用するなら、その毒は死に至らない。その上割と直ぐに回復する」
私は手をひらひら振った。
「蛇に…仕込めるとか…反則だろ」
タルウィの首筋に噛み付いた小型の蛇がコロリと小石に変わって地面へ落ちた。
蛇は苦手だが、緊急事態だったし。
背に腹は変えられぬ。
「あら、喜んでくれないの?貴方のお望み通り生み出したのに」
私はスタンドでタルウィを拘束し、波紋を流して完全に気絶させた。

タルウィをスタンドで拘束したままこの後の事を思案する。
「一応、花京院に連絡入れて警備体制のレベル上げてもらおっかなァ」
花京院は今、承太郎を警護している。
何故承太郎が警護されているのか。
それは、彼が敵のスタンド使いの攻撃により仮死状態になってしまったからだ。
徐倫を餌にして承太郎を嵌める。
それが敵の狙いだった。
そしてまだ、戦いは終わってなどいない。
「ところで僕の話なんだけどね…聞いてる?」
「あ、ごめん。聞いてる。聞いてる」
「じゃあ話すよぉ」
何と気ままな。
まァ猫だしな。
__モフりてぇ。
「僕は君の…」

「……「この世界の父親」さ」
「…はい?」
なんて言った。
「いやぁ、会いたいとは思ってたんだよ?でも僕も忙しくてさぁ…。でも今回ばかりは無理してでも」
「ちょ、ちょ待って!待って!何それ!今更過ぎない!?」
いや、トリップさせて貰っといてなんだけどさ。
驚きすぎて。
「うん。今更過ぎるし、正直ぶん殴られるかなぐらいの覚悟で会いに来たんだよぉ」
そんな。のほほんとした口調で。
__何だろう。
驚きが過ぎてなんの感慨も浮かばない。
「…それで…あの…今更なんのようで?」
超放置状態だったのに、今になって用があるとか怖くね?
何の用だよ?
真逆、世界を救えとか言わないよな。

「世界を救ってくれない?」

_ガッデム。
そ、その真逆かよ。
「え?いやいや!何の為に!?てか私は勇者じゃないし!そもそも私はただの異世界トリップ系の女だし!トリップしたいと思ってたらトリップさせて貰っただけの一般人だし!てか子供の遣い感覚で頼むものなの!?あッ!もしかして、トリップさせた対価に何か」
「まぁまぁ、落ち着いて。ちゃんと話すから」
「ぐ…ぐぬぅ…」

第6話「世界の原則」→←第4話「バッド・ボーイ」



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作者名:夢書き | 作成日時:2019年1月4日 10時

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