第17話「私のエゴイズム」 ページ17
爆発、爆発、爆発、爆発。
適当な間合いを保ちつつ吉良が砂を爆弾に変えて飛ばして来た。
細かいので実に厄介。
ちなみに既に締め付けからは解放されている。
「カーズのスピードなら吉良がカーズのことを認識する前に殺れる!でも殺るのはちょっと…」
「甘いことを吐かすな、馬鹿め」
カーズが一気に前へ出た。
ぶっちゃけカーズなら吉良の爆弾の攻撃力など無意味に等しい。
困るのは自身を爆弾に変えられることのみ。
カーズの腕が光を放つ。
一瞬の間を置いてカーズが吉良の後ろに居た。
あ、コレ_この光景デジャヴじゃね?と思った時にはもう_。
吉良の上半身と下半身が離婚していた。
「うわ」
そりゃ殺人鬼だし、明らかに敵意向けられてたけど。
私としては生け捕りにして敗北を_的なのが良かっ。
「!!」
カーズが振り向いて砂浜に倒れる吉良を見る。
私も吉良を見た。
「お…終わるものか…静かなる平穏な日々こそ至上…」
生きてる。
いや、でも。
「おい、カーズ…人間て…心臓貫かれても生きてるもんなのか」
「それを俺に聞くな。…言っておくが、俺は確実に心臓を貫いたぞ」
カーズが吉良を見たまま応える。
吉良の体は真っ二つだ。
更にいえば上半身の胸の部分が赤く染まっている。
そしてスタンドも消えている。
余程の事がない限り、カーズが急所を外すわけがない。
「ん?…そういえば」
吉良はバイツァダストという能力も持っていた筈。
それはスタンド使いでないものを使う_。
私は砂浜に伏せたままの吉良に近寄る。
勿論スタンドを出しつつの全力警戒モードで。
「矢っ張り今すぐ殺そう」
「何だ…甘ちゃんの台詞とは思えんな」
「殺すなら殺される覚悟もしなきゃならない。それが私の方針なの」
出来れば殺したくはないが。
それは人間でも吸血鬼でも屍生人でも変わりない。
「私は殺すと覚悟したなら、それと同時に殺される覚悟を持つ。そうやって昔から戦ってる。殺されたくはないけど」
命を奪うのだ。
命への敬意は払わなければならない。
そんなのはエゴイズムな言い訳かもしれないが。
「貴方達と戦った時だってそうだったよ…」
私は吉良に右手を伸ばした。
すると_。
「!?」
「嗚呼…いい…素敵だ」
吉良が顔をあげてわたしの右手に擦り寄る。
反射的に手を放した。
「この状況でイカれてるのか」
「イカれてる?私は正常だ」
思いの外元気そうだ。
「血も欲しくなる程に…な」
__血?
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作者名:夢書き | 作成日時:2019年1月4日 10時