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第14話「月下の共闘」 ページ14

そういえばカーズにスタンドは見えていないのだろうか。
カーズはスタンド使いではないのだし。
そんな事を考えているとカーズが薔薇を見たまま問いかけてきた。
「あの小娘は…貴様の姉妹か何かか」
「え?」
「貴様と似た匂いがする」
似た匂い。
「先程も攻撃して来たからその時にも確認した。間違いない。…貴様の血族だろうな」
先程もという事は、さっきの攻撃はカーズの言っていた金髪の娘の攻撃なのだろう。
というか、カーズはその金髪の娘に攻撃を受け続けているのか。
あのカーズが_。
「それにしてもどうなっている。あの小娘は確実に何かで攻撃しているというのにそれが見えん」
カーズの発言に私はハッとした。
「スタンド…使い…」
「スタンド?」
「あ…えと…あのね。スタンドっていうのは」
私はカーズにスタンド能力について説明した。

恐らく金髪の娘はスタンド使い。
カーズにスタンドは見えない。
だからカーズ程の者が手こずっているのだろう。
でなければあのカーズが苦戦するなど考え難い。
「…ほう」
カーズはそこでふと私を見た。
「貴様には見えるのだな」
「う…うん」
「ならば小娘。協力しろ」
え_今_ナントオッシャイマシタカ?
「協力しろと言ったのだ。小娘。貴様もここから出たいのだろう」
「そ…そうだけど」
何に協力しろというのか。
「あの金髪の娘を倒す。若しくは妙ちきりんな斑髪の男を倒す。それに協力しろ」
「い…いいけど。てか何?まだ敵が居るの?…ん!?第一ここから出る方法…って、え!?」
カーズはここから出る方法。
つまりラスボスを倒せばいいという事を知っている。
しかも敵は2人も。
「倒す相手はまだ居るらしいが、俺がこの目で見たのはその2人だ。あとは」
あとは雑魚が出てくる_とカーズが言う。

雑魚?
「ふむ…話している間にもう揃ったようだな」
カーズが腕から輝く刃を出す。
「え?…え?ええ!?」
私は戸惑いながらも手袋を嵌め、鞭を構える。

「な…な、なな」
カーズが冷たく微笑む。
「さぁ、我が血肉の糧となれ…吸血鬼共…」
いつの間にか無数の吸血鬼に私とカーズは囲まれていた。
荒い息遣い、鈍く光る瞳、欲望が犇めき合う。
「来い」
一斉に吸血鬼の群れが飛び掛ってきた。

月下の中に。
紅が舞う。肉を裂く音が。悲鳴が。怒号が。
光が常にその先を行く。
柱の男の刃の輝きが。
波紋戦士の波紋の輝きが。
舞う。舞う。舞う。

光と紅の狂乱の宴。

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作者名:夢書き | 作成日時:2019年1月4日 10時

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