20. ページ20
『本当に…すみませんでしたっ!そしてありがとうございました…!』
「いえー、店員さんの面白いお顔も見れましたし大丈夫ですよ」
鈴屋さんはクスリと笑って踵を返そうとする
けれど、このままじゃ流石にバツが悪い
やっぱりお礼だけじゃなくて何か物を渡した方が……
……迷惑かな
うーん、どうしよ…
……よしっ!
『あの…っ!』
白い息と一緒に、一粒の勇気を振り絞って引き留める
「?…なんです?」
『また今度お店来てください!今日のお礼に奢ります』
言っちゃった…
初めての男の人との約束
ちょっとだけ緊張する
「わあー!ありがとです!楽しみにしてますね」
パァッと明るく輝いた鈴屋さんの瞳をみて緊張が解けた
『じゃあお仕事頑張ってください!また今度』
私に向かって手を振ってくれた鈴屋さんが遠くへと去っていく
そしてついには見えなくなってしまった
彼が行ってしまい、彼の代わりに寂しさが残る
一粒の雪が目の前で一瞬で溶けたみたいな
街の雑踏の音がイヤホンで遮断されるような
そんな寂しさの中で、私の心の中にはジンワリした温かいものが少しだけ広がっていた
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←19.
20人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yui(プロフ) - 文も読みやすくて面白いです。続きをぜひ待ってます! (2018年11月26日 1時) (レス) id: 2a71d88e3d (このIDを非表示/違反報告)
リヴ華 - えっ!ありがとうございます!!この作品を更新しようか停止しようか悩んでいたんですが、応援してくれる人がいるなら頑張ってみたいと思います (2018年10月26日 18時) (レス) id: 49646591f3 (このIDを非表示/違反報告)
細胞 - この作品好きです!更新頑張ってください! (2018年10月10日 21時) (レス) id: e784bcfcdd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ