白い記憶に口付けを【鈴屋什造】

15. ページ15

『……キリン、いっぱい』


あまりにもキリンの絵が多いからクスリと笑ってしまう

4ページの空白の後はキリンだらけだった

どこのページもキリン、キリン、キリン…

そのたびにクスクスと笑いが溢れた

まぁ、鈴屋さんらしいかも

ん?今日初めて彼に会ったのに、鈴屋さんらしいってわかるの、変か


しかし、ポップな絵柄や独特な世界観は本当に鈴屋さんらしかった

一通り見終えた後、パタンとスケッチブックを閉じる

勝手に見てしまった罪悪感と同時に、彼って面白い人だな、という感情が生まれた

『シャワー浴びよ』

勢いよく黒いソファーから立ち上がると、すぐ近くのシャワールームへと足を運ぶ


服を脱いでいる途中に、ふと鈴屋さんのイラストが頭に浮かぶ

あの…子供っぽいイラスト

思い出し、また笑う

これが思い出し笑いか

この笑いは可笑しいから笑っているのではなく、微笑ましさで笑っているのだと思った

例えば、子供が遊んでいるのを隣で笑いながら見守っているお母さんみないな感じ


鈴屋さん、可愛い人だ

そんなことを頭の端で考えながら、既に服を脱ぎ終わった私はシャワーを浴びた

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