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13. ページ13

息を吐くと白い煙が空気に溶けるのを見届けながら駅に向かって歩く


一気に冷え込むものだから体調を崩しそうだ

私は赤くなっているだろう手を見た

視界に手元にあるスケッチブックが映る


これ、やっぱり強制的に店長へ戻すべきだったのだろうか

他の人の私物を持っていると、謎の不安感に襲われる


私の周りには仕事帰りの男女が多く歩いていた

その中にスケッチブックの持ち主はいないか探す

しかし、私は持ち主の顔も名前もわからない

でも、このスケッチブックは確かに何処かで…

頭の記憶を探っても出てきそうで出てこない

仕方なく、駅に着いた私は帰りの電車に乗り込んだ



電車に揺らされながら窓の景色を見る

闇が赤や黄色や青等の色に染められている東京の景色はもう既に見飽きた筈だった

疲れているせいか……はたまた、今日は興味深い人に出会えて知らない内に私の機嫌が良くなっていたからか


今日の私が見た景色は綺麗に見えた




電車から下りて家に向かう

喰種の事件があったせいか、いつもの帰路が少し怖かった


早足で自分のアパートに向かう


周りに人が少数歩いているが、いつもより人気が無いのを感じて恐怖を覚えた

アパートが見えた途端に力が抜け、急いで自分の部屋に駆け込む


ドアを開けたかと思うと、すぐさま部屋の中に入って勢いよくバタンとドアを閉めた

ズルッとドアにもたれ掛かる

『はぁ………喰種なんて…』

出かけた言葉が喉に少し引っ掛かった


“喰種”


喰種でも、全部が悪いってわけじゃないかもしれない

感情も人間と同じくらいあるかもしれない

喰種だって、なりたくて喰種になったわけじゃない

なのに私は世間的な喰種のイメージだけで決めつけようとした
「喰種なんていない世界の方が平和に決まっている」と。


だけど人間の姿で人間を食べるっていうのが恐ろしく、喰種にあまり良い印象を持てなかった


面倒臭い世界ね、と思いながら部屋のリビングに向かって足を進めた

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yui(プロフ) - 文も読みやすくて面白いです。続きをぜひ待ってます! (2018年11月26日 1時) (レス) id: 2a71d88e3d (このIDを非表示/違反報告)
リヴ華 - えっ!ありがとうございます!!この作品を更新しようか停止しようか悩んでいたんですが、応援してくれる人がいるなら頑張ってみたいと思います (2018年10月26日 18時) (レス) id: 49646591f3 (このIDを非表示/違反報告)
細胞 - この作品好きです!更新頑張ってください! (2018年10月10日 21時) (レス) id: e784bcfcdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リヴ華 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年3月11日 0時

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