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私は皿洗いを済ませ、次々とやって来る常連客の接客をする


今日は土曜日だからか、学生が多く来るように感じられた

と言っても3人くらいだが



こうして時間が過ぎ、もう閉店時間になった


残りの仕事は掃除である

私は部屋全体をぐるりと見渡すと息を吸い込んだ

なにせ、今日は忙しくて疲れたのだ

「手伝う?」

隣を見れば首をかしげている美穂ちゃんの姿。彼女の言葉に私は、大丈夫と答えた

『今日はだいぶ美穂ちゃんに助けてもらったから』

私の言葉を聞いて、彼女は「そっか」と軽く答えた

私が箒を取り出す丁度にテレビを見ていた店長が声を出した


「また喰種ねぇ…」

私は箒を持ったまま、店内の隅に置いてあるテレビを見る

テレビ画面には大きく「今日3回目の喰種の補食、同一の喰種か」と見出しが映されてあった


「え、また20区内?………じゃなかった。A、4区だってー」


美穂ちゃんがニュースの情報を伝えてくる

同一の喰種だとしたら、なんで20区と4区の離れた場所で補食をするのだろう、と箒で床を掃きながら頭の隅で思った


「怖いわね…Aちゃん。もう掃除終わっていいわよ。暗くなる前に早く帰った方がいいわ」

返事をして私は箒を仕舞う

そして美穂ちゃんと一緒に更衣室へ向かった

椅子が少しと大きめなテーブルがひとつ。それ以外の家具はロッカーと観葉植物

そんな殺風景な室内の更衣室に到着する

部屋に入ると早速、制服から私服に戻し、制服を畳んで自分のロッカーに仕舞う

ロッカーの閉まるバタンという音が室内に響いた

『美穂ちゃん、先にバイバイ』

彼女が少し笑いながら手を振る

私は更衣室を出て出口へと向かった




『店長、お疲れ様でした』

まだテレビの画面を見ていた店長

私が声をかけると何かを思い出したようにハッとした

「Aちゃん、これ。誰のかわかるかしら?」

私は店長の手元に握られているものに視線を向ける


『……スケッチブック…?』

店長から受け取って少し見ていくと一枚のページにキリンが描かれている絵があった

このスケッチブック、なんか見覚えがある


「これ、少し預かっててくれないかしら?」

店長の言葉に私は、「…え」と声を漏らす

無理もない


「前は忘れ物を店で保管してたのよ。だけど私、人の物をすぐ汚くしちゃうの」

フフッと笑う店長

頬には小さな笑窪があった

『わかりました。じゃあ、お先に失礼します』


店長に笑顔を向けて私はスケッチブックを手に持ち店を出た


外の風はすっかり冷たくなっていた

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yui(プロフ) - 文も読みやすくて面白いです。続きをぜひ待ってます! (2018年11月26日 1時) (レス) id: 2a71d88e3d (このIDを非表示/違反報告)
リヴ華 - えっ!ありがとうございます!!この作品を更新しようか停止しようか悩んでいたんですが、応援してくれる人がいるなら頑張ってみたいと思います (2018年10月26日 18時) (レス) id: 49646591f3 (このIDを非表示/違反報告)
細胞 - この作品好きです!更新頑張ってください! (2018年10月10日 21時) (レス) id: e784bcfcdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リヴ華 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年3月11日 0時

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