マッチの幻想少女 ページ18
そろそろ題名も尽きてきましたね…私はあまり、人に物語を語るのは得意ではないので…。
まあ、適当に【マッチの幻想少女】とでもしておきましょう。
初めて見る戦火は、屋根よりも高く燃え上がり、世界全てを飲み込んでいたように思えたと、奥様は語ります。
奥様は、森から街へ、街から遠くへを目指し、いくつもの汽車を乗り継ぎ、見たことも聞いたこともない国の貧困街に身を隠しました。
極悪非道の、人による、人の、売買なんて当たり前。
奥様は、毎日毎日、魔の手から逃げるように隠れて暮らしていたと言います。
『…地獄よ、こんなの…！』
逃げ惑う人々は、最後の最期まで、落ちた金に目が眩み、商品であろう子供達の逃亡の手を無理矢理引き、邪魔な女子供は突き飛ばし、愚かな振る舞いをしていました。
焼かれた貧困街の中心には、確かに王族の騎士が、馬に乗り、まるで辺りを観察するかのように見ていました。
そう、全く助けもせずに。
「ちょっ、何ぼーっとしてんねん！」
『え…』
「生き残ってもここじゃあの騎士に殺されるで！さっさと逃げた方がええ！」
そんな中で、奥様のことを心配しお声をかけた、優しい優しいお方がいました。
背が高く、見慣れない毛色の髪を揺らす男性です。
戸惑い動けない奥様の為に、その男性は手を取りその場から必死に逃げました。
自身の命よりも、人助けを優先するなんて…本当にあの方はお優しい…！
「チーノっ、こっちや！」
「アレは？」
「全部積み込んだ、…その人は？」
「使えるやろ、この人も乗せてく」
「…取り敢えずここから離れるで」
男性二人に馬車の荷台に載せられた奥様は、中身は見えない荷物が沢山積まれている狭い空間で、戦火の模様を思い返していました。
その不安そうな顔を見かねて、馬の手綱を取っている男性とは別の、荷台に共に乗り込んだ背の高い男性が奥様に声をかけました。
「なあお姉さん、あんた何で直ぐに逃げんかったん？あのままやったら、すぐに騎士に捕まってたで」
『…何が起こっていたのか、わからなくて、混乱してたの…』
「ただ街が焼かれただけや、今時、貧困街の抹殺なんてよくある話やろ、まあ、お姉さんみたいに、どっかの街から来た人の中には、そんなこと知らん幸せ者もおるんやろうなあ」
『国が、国民を捨てたの…？』
「そんな不思議そうな顔するようなことちゃうで、戦争と同じ、人の命よりも国の名誉の方が大切なんや、あいつらは」
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馬鹿の者 - 奥様＝廃被り(シンデレラ)兎＝奥様の兄さんと、すると段々、小説の題名の意味が… (2020年7月31日 6時) (
レス) id: 37e79557bb (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿の者 - おっふ、考察全部違ったけど、面白いから満足です。あ、皆様廃被り姫を知っていますか？廃被り姫とはシンデレラの事なんですよ、んでこの小説の題名にガラスの靴があるじゃないですか、シンデレラにもあるじゃないですか、もしかしてそれで表現してる？ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 37e79557bb (このIDを非表示/違反報告)
ハット(プロフ) - どんどん謎が解けていく、、、！めちゃくちゃ面白いくて、更新が楽しみです(*^^*) (2020年7月28日 18時) (レス) id: c9cf6e7c0b (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - 馬鹿の者さん» 三度めまして！ここから徐々に真実を出していこうと思いますので、楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2020年7月24日 13時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿の者 - メイドの子も怪しくなってきたね、そもそもcnsypでみた幻覚って子供の頃の記憶なのかな？それなら、いやでもう〜ん分からん( ・∇・)(長文連投失礼しました) (2020年7月23日 2時) (レス) id: ee9fba9597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五千時 | 作成日時：2020年6月30日 3時
