使用人の戯言 ページ2
お話はこれで終わりではありません。
私はもう一つ、疑問を抱いていたのです。
奥様の表情に興奮…んんっ、感動していた私ですが、直ぐに切り替えて、こう問いました。
「ならば、奥様は、幸せではないのですか」と。
奥様はこう答えられました。
『どんなに美化した御伽話にも、恐ろしい裏話が隠されているものよ、人の愛に欲はつきもの、誰だって永遠を望む、私は、それに耐えられなかった』
奥様は詩人のように語られますが、私のような凡人の感受性では到底理解ができません。
首を傾げますが、奥様は続けます。
『私も、主人達と出会って、最初は誰もが望む幸せを手に入れたわ、これが愛なのだと、運命だと何度思ったことか、でも、愛に欲はつきもの、人は強欲ね、愛の永遠と確証を求める、永遠に、自分だけのものであって欲しいと願う、それが、主人達の罪であり、私にとっての最大の不幸だった』
何でもかんでも、奥様に尋ねるのは申し訳ないと思い、私も、一生懸命そのお言葉を理解しようと考えました。
…つまり、奥様は、主人達の重すぎる愛に耐えきれなかったのだと、そういう結論に至りました。
そこでです。
私はまた、新しい疑問を抱いたのです。
「ならば、何故奥様は、未だに主人達に愛されているのでしょうか」と。
そうすると、奥様は、震える肩を抱き、涙を零しながらおっしゃいました。
『御伽話のようにはならなかったのよ、これは呪い、御伽話のように美しい愛を手に入れた少女達と引き換えに、私は黒く染まった愛に捕まったのよ、逃げられない、永遠の呪いに』
なんて美しいんでしょうか！
それはつまり、ご主人達は、それほどまでに奥様を愛しているということ！
私は堪らず、手を鳴らしました。
驚きこちらを見る奥様は、やはり美しかったです！
「なんで泣いてるん？」
そこに、ご主人の一人がいらっしゃいました。
泣き崩れる奥様を心配し、寄り添い、肩を抱かれました。
その光景はまさに、奥様の語る御伽話のようで。
…何なんですかさっきから貴方は。
どこからどう見ても、幸せに満ちた素晴らしいお話ではないですか。
え？奥様が不憫で堪らない？なんて事を言うんです！
もういいです、それなら貴方に、全てお聞かせしましょう。
これを聞けば、貴方も、この素晴らしさに気づける筈です。
奥様と、ご主人達の、胸が熱くなるような甘い馴れ初め話です。
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馬鹿の者 - 奥様＝廃被り(シンデレラ)兎＝奥様の兄さんと、すると段々、小説の題名の意味が… (2020年7月31日 6時) (
レス) id: 37e79557bb (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿の者 - おっふ、考察全部違ったけど、面白いから満足です。あ、皆様廃被り姫を知っていますか？廃被り姫とはシンデレラの事なんですよ、んでこの小説の題名にガラスの靴があるじゃないですか、シンデレラにもあるじゃないですか、もしかしてそれで表現してる？ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 37e79557bb (このIDを非表示/違反報告)
ハット(プロフ) - どんどん謎が解けていく、、、！めちゃくちゃ面白いくて、更新が楽しみです(*^^*) (2020年7月28日 18時) (レス) id: c9cf6e7c0b (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - 馬鹿の者さん» 三度めまして！ここから徐々に真実を出していこうと思いますので、楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2020年7月24日 13時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
馬鹿の者 - メイドの子も怪しくなってきたね、そもそもcnsypでみた幻覚って子供の頃の記憶なのかな？それなら、いやでもう〜ん分からん( ・∇・)(長文連投失礼しました) (2020年7月23日 2時) (レス) id: ee9fba9597 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五千時 | 作成日時：2020年6月30日 3時
